労働問題約3分で読めます弁護士監修済

育児休業制度の基礎知識|取得条件・期間・給付金を解説

この記事のポイント

  • ✓育休中は給付金として賃金の67%が支給される
  • ✓産後パパ育休で出生後8週間以内に4週間取得可能
  • ✓育休を理由とした解雇や降格は法律で禁止されている
  • ✓取得条件を満たせば非正規労働者も育休を取れる
この記事をシェア

育児休業制度とは

育児介護休業法に基づき、1歳未満の子を養育する労働者が取得できる休業制度です(育児介護休業法5条)。

取得条件

  • 男女を問わず取得可能
  • 期間の定めのある労働者: 子が1歳6ヶ月に達するまでに契約が満了することが明らかでないこと(法5条1項ただし書)
  • 2022年4月改正で、入社1年未満の労働者を除外する労使協定がある場合を除き、全ての労働者が対象

この記事に関連する無料ツール

残業代計算ツール

この記事の分野に関連する無料シミュレーターをお試しください。

無料で試す →

休業期間

制度期間分割
育児休業原則:子が1歳まで2回まで分割可(2022年改正)
パパ・ママ育休プラス子が1歳2ヶ月まで父母が交代で取得
延長子が1歳6ヶ月/2歳まで保育所に入所できない場合等
産後パパ育休(2022年10月新設)出生後8週間以内に4週間2回まで分割可

育児休業給付金

雇用保険から支給されます(雇用保険法61条の7): - 休業開始〜180日目: 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67% - 181日目以降: 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

2025年4月からは、子の出生後の一定期間内に被保険者とその配偶者がともに通算14日以上の休業をする等の要件を満たす場合、出生後休業支援給付金(休業開始時賃金日額 × 休業日数(上限28日)× 13%)が上乗せして支給されます(雇用保険法61条の10)。

社会保険料の免除

育児休業期間中の健康保険料・厚生年金保険料は、被保険者・事業主ともに免除されます(健康保険法159条、厚生年金保険法81条の2)。

不利益取扱いの禁止

育児休業の申出・取得を理由とする解雇、降格、減給、不利益な配置転換等は禁止されています(育児介護休業法10条)。

2022年改正の主なポイント

  1. 産後パパ育休(出生時育児休業)の新設: 出生後8週間以内に4週間取得可能
  2. 育児休業の分割取得: 2回まで分割可能に
  3. 取得状況の公表義務: 常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主に、育児休業の取得状況の公表を義務化(2023年4月施行)。2025年4月からは、対象が300人を超える事業主に拡大されています(育児介護休業法22条の2)
  4. 個別の周知・意向確認の義務化: 妊娠・出産の申出をした労働者に対して制度の説明と取得意向確認が必要

根拠条文

  • 育児介護休業法5条〜10条
  • 雇用保険法61条の7(育児休業給付金)、61条の10(出生後休業支援給付金)
  • 健康保険法159条、厚生年金保険法81条の2(社会保険料免除)
この記事をシェア
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

関連記事

パワハラ・セクハラの証拠収集ガイド|録音・メール・日記の活用法

パワハラ・セクハラの証拠収集方法を実践的に解説。秘密録音の適法性、メール・チャットの保存方法、ハラスメント日記の書き方、医療記録の取得方法を説明します。

有給休暇の基礎知識|付与日数・取得義務・退職時の消化

年次有給休暇の付与条件・日数・時季指定義務(年5日)・退職時の消化について解説。パート・アルバイトの有給取得、使用者の時季変更権の限界についても説明します。

パワハラ防止法|企業の義務と被害者が取れる法的手段

2020年施行のパワハラ防止法(労働施策総合推進法改正)に基づくパワハラの定義、企業の防止措置義務、被害者の救済方法を解説。

会社の就業規則と副業|禁止規定の有効性と社員の権利

会社の就業規則で副業禁止と書かれていても、合理的理由がなければ無効です。就業規則の確認ポイント、副業禁止条項が違法になるケース、懲戒処分された場合の対処法を弁護士が解説。

公益通報者保護法|内部告発した社員の法的保護と企業の義務

公益通報者保護法(2022年改正)に基づく内部告発者の法的保護を解説。保護の要件、企業の体制整備義務、通報先の選択肢。

ネット誹謗中傷の発信者情報開示請求|手続きの流れと費用を解説

匿名のネット誹謗中傷に対し、発信者情報開示請求で投稿者を特定する方法を解説。2022年改正法の新制度、手続きの流れ、注意点を条文に基づいて説明します。

関連するQ&A

おすすめの関連記事

労働問題

会社の就業規則と副業|禁止規定の有効性と社員の権利

会社の就業規則で副業禁止と書かれていても、合理的理由がなければ無効です。就業規則の確認ポイント、副業禁止条項が違法になるケース、懲戒処分された場合の対処法を弁護士が解説。

記事を読む
企業法務

公益通報者保護法|内部告発した社員の法的保護と企業の義務

公益通報者保護法(2022年改正)に基づく内部告発者の法的保護を解説。保護の要件、企業の体制整備義務、通報先の選択肢。

記事を読む
ネット問題

ネット誹謗中傷の発信者情報開示請求|手続きの流れと費用を解説

匿名のネット誹謗中傷に対し、発信者情報開示請求で投稿者を特定する方法を解説。2022年改正法の新制度、手続きの流れ、注意点を条文に基づいて説明します。

記事を読む
ネット問題

リベンジポルノの法的対処法|削除請求と刑事告訴の手続き

リベンジポルノ被害への法的対処法を解説。私事性的画像記録法に基づく削除請求、刑事告訴、損害賠償請求の手続きと相談窓口を説明します。

記事を読む
企業法務

取締役の責任と義務|善管注意義務・忠実義務・損害賠償責任

株式会社の取締役の法的責任と義務を解説。善管注意義務、忠実義務、競業避止義務、利益相反取引規制、株主代表訴訟のリスクを説明します。

記事を読む
ネット問題

SNS炎上対策|企業・個人が取るべき法的対応と予防策

SNS炎上が発生した場合の法的対応策を解説。名誉毀損・業務妨害に該当するケースの判断基準、発信者情報開示請求、損害賠償請求、予防策としての社内ガイドライン策定について説明します。

記事を読む
弁護士監修

当事務所に無料相談する

初回相談無料。秘密厳守。早期相談で取り得る選択肢が広がります。

相談予約