企業法務最終更新: 2026-11-05約7分で読めます公表情報の要約

総務省が外部送信規律(Cookie等の利用者情報の送信)の第2次報告書と手引きを公表|アプリを持たないウェブサイトの遵守率は43.2%(2026年11月4日)

この記事は、官公庁が公表した内容と条文をもとに当事務所が整理したものです。 一次情報へのリンクを本文に掲載しています。個別の事案についてはご相談ください。

この記事のポイント

  • ✓総務省は2026年11月4日、「利用者情報ワーキンググループ第2次報告書(利用者情報に係る外部送信規律の遵守に係る方策について)」と、報告書案に対する意見募集の結果を公表した。意見募集は2026年8月20日から9月18日まで行われ、24件の意見が提出された
  • ✓外部送信規律(電気通信事業法27条の12)は、総務省令で定める電気通信役務を提供する電気通信事業者と第三号事業を営む者に対し、利用者の端末から利用者に関する情報を外部に送信させるときに、送信される情報の内容、送信先、利用目的などをあらかじめ通知し、または容易に知り得る状態に置くことを求めている(同意を得た情報、オプトアウト措置を講じた情報などは除かれる)
  • ✓報告書によれば、2025年12月に実施した総務省委託調査で、ウェブサイトはアプリと比べて外部送信規律を十分に遵守できていない傾向があり、アプリによるサービス提供を行っていないウェブサイトの遵守率は43.2%だった
  • ✓報告書は、総務省が通知・公表の「雛形(記載例)」を策定・公表すること、遵守状況を定期的に調査して結果を公表し、対応が不十分な事業者に改善を求めることなどを方策として示し、別添として「ウェブサイト等における利用者情報の外部送信に係る法令遵守事項及び望ましい対応事項(手引き)」を付している
  • ✓中長期の検討事項として、外部送信規律の適用対象の見直し、ブラウザ等のレベルでのオプトアウトなど利用者関与機会の強化、Cookieに依存しない追跡技術やAIなど技術革新を踏まえた検討が挙げられている

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総務省は2026年11月4日、「利用者情報ワーキンググループ第2次報告書(利用者情報に係る外部送信規律の遵守に係る方策について)」と、その案に対する意見募集の結果を公表しました。

外部送信規律は、ウェブサイトやアプリが、利用者の端末に保存された利用者に関する情報を、広告配信や行動分析などのために第三者のサーバーへ送信させる場合のルールです。2022年(令和4年)の電気通信事業法改正で導入されました。報告書は、この規律の遵守状況と、遵守を確保するための方策をまとめたものです。

このページは、総務省が公表した内容と条文の文言をそのまま整理したものです。

公表の概要

項目内容
公表日2026年(令和8年)11月4日
公表者総務省(総合通信基盤局電気通信事業部利用環境課)
報告書利用者情報ワーキンググループ第2次報告書(利用者情報に係る外部送信規律の遵守に係る方策について)
取りまとめICTサービスの利用環境の整備に関する研究会 利用者情報に関するワーキンググループ
別添ウェブサイト等における利用者情報の外部送信に係る法令遵守事項及び望ましい対応事項(手引き)
意見募集の期間2026年8月20日〜9月18日
提出された意見24件(意見提出者数)
公表資料別紙1 報告書/別紙2 概要/別紙3 提出された意見及び総務省の考え方

外部送信規律の条文

電気通信事業法第27条の12は、次のとおり定めています(本文の抜粋)。

> 電気通信事業者又は第三号事業を営む者(内容、利用者の範囲及び利用状況を勘案して利用者の利益に及ぼす影響が少なくないものとして総務省令で定める電気通信役務を提供する者に限る。)は、その利用者に対し電気通信役務を提供する際に、当該利用者の電気通信設備を送信先とする情報送信指令通信(略)を行おうとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該情報送信指令通信が起動させる情報送信機能により送信されることとなる当該利用者に関する情報の内容、当該情報の送信先となる電気通信設備その他の総務省令で定める事項を当該利用者に通知し、又は当該利用者が容易に知り得る状態に置かなければならない。

同条ただし書は、次の情報を対象から除いています。

  • 電気通信役務を利用する際に送信をすることが必要なものとして総務省令で定める情報(1号)
  • 事業者が利用者に送信した識別符号で、その事業者自身の設備に送信されるもの(2号)
  • 送信されることについて利用者が同意している情報(3号)
  • 利用者の求めに応じて送信または利用を停止する措置(オプトアウト措置)を講じ、その内容などを利用者が容易に知り得る状態に置いている場合に、利用者が停止を求めていない情報(4号)

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対象となる役務と通知・公表の事項(施行規則の文言)

電気通信事業法施行規則第22条の2の27は、対象となる電気通信役務を、ブラウザその他のソフトウェアにより提供される次のいずれかとしています。

  • 他人の通信を媒介する電気通信役務(1号)
  • 利用者から受信した情報を記録し、不特定の利用者の求めに応じて送信する機能を有する電気通信設備を他人の通信の用に供する役務(2号)
  • 入力された検索情報に対応して、その情報が記録された全てのウェブページの所在に関する情報を出力する役務(3号)
  • 前号のほか、不特定の利用者の求めに応じて情報を送信する機能を有する電気通信設備を他人の通信の用に供する役務であって、不特定の利用者による情報の閲覧に供することを目的とするもの(4号)

第22条の2の29は、通知または公表する事項を、情報送信指令通信ごとに、①送信される利用者に関する情報の内容、②送信先で情報を取り扱うこととなる者の氏名または名称、③その情報の利用目的としています。

第22条の2の28は、その方法として、日本語を用い、専門用語を避け、平易な表現を用いること、操作を行うことなく文字が適切な大きさで表示されるようにすることなどを定めています。

報告書が示した遵守状況

報告書は、2025年(令和7年)12月に実施した総務省委託調査の結果として、次のとおり記載しています。

> ウェブサイトはモバイル端末用アプリケーションと比較して外部送信規律を十分に遵守できていない傾向にあり、特に、アプリケーションによるサービス提供を行っていないウェブサイトでは、遵守率は 43.2%と低い状況にある

調査は、外部送信規律の対象となる電気通信事業者と第三号事業者が運営するウェブサイトのうち、アクセス数が多いウェブサイトとスマートフォン用アプリを抽出して行われたと注記されています。

報告書は、2025年3月に実施した総務省委託調査の結果として、自身の情報の取扱いに関心のある利用者は約5割、全体の約8割はプライバシーポリシーを流し見程度にしか読んでいないか読んでいない、と記載しています。

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報告書が示した方策

法令遵守を確保するための方策

  • 総務省が、ウェブサイト等で外部送信規律を最低限満たすための「雛形(記載例)」を策定・公表し、対応を促す
  • 総務省が、ウェブサイト等における遵守状況を定期的に調査して実態を把握し、結果を公表するとともに、対応が不十分なウェブサイト運営事業者に改善を求める
  • 関連する業界団体等と連携して、ウェブサイト運営事業者に対応を促す

法令から一歩進んだベストプラクティス

  • 規律の適用事業者は、法令事項である通知・公表に加え、同意またはオプトアウトにより利用者が関与する機会を付与することが望ましく、少なくとも事後的に外部送信を停止できるオプトアウト措置が推奨される
  • 外部送信規律が適用されないウェブサイト等の運営事業者にも、規律の趣旨に照らした自主的な対応が期待される
  • タグや情報収集モジュール等による外部送信の機能を提供する外部サービス提供者(サードパーティ)との連携

手引き

報告書の別添「手引き」は、規律の概要、対象となる事業者と役務の判断のポイント、通知・公表の方法と記載例、同意やオプトアウトを講ずる場合の留意事項、規律の対象外のウェブサイト等にも望まれる対応などを、記載例フォーマットとともに示しています。手引きは、規律の対象事業者に加え、規律の対象とならないが利用者情報の外部送信を行っているウェブサイトやアプリの運営事業者も参照の対象としています。

今後の検討事項

報告書は、当面は手引きを活用した法令遵守とベストプラクティスの実践に速やかに取り組むこととしたうえで、中長期的な検討事項として次の3点を挙げ、必要に応じ、制度改正を排除せず検討を行うことが適当としています。

  1. 外部送信規律の適用対象の見直し(対象となる電気通信役務がわかりにくいことから、対象範囲の簡素化・明確化の要否を検討)
  2. 利用者関与機会の強化(ブラウザ等のインターフェースのレベルでのオプトアウト等の規制の検討)
  3. 今後の技術革新を踏まえた検討(Cookieに依存せずに利用者を特定する手法やAIなどの新技術がプライバシーに与える影響の検証)

出典

  • 総務省 報道資料「利用者情報ワーキンググループ第2次報告書(案)(利用者情報に係る外部送信規律の遵守に係る方策について)についての意見募集の結果の公表」(2026年11月4日)https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000299.html
  • 別紙1 利用者情報ワーキンググループ第2次報告書(別添の手引きを含む)https://www.soumu.go.jp/main_content/001099581.pdf
  • 別紙2 報告書の概要 https://www.soumu.go.jp/main_content/001099582.pdf
  • 別紙3 提出された意見及び総務省の考え方 https://www.soumu.go.jp/main_content/001099583.pdf
  • e-Gov法令検索「電気通信事業法」(昭和59年法律第86号)https://laws.e-gov.go.jp/law/359AC0000000086
  • e-Gov法令検索「電気通信事業法施行規則」(昭和60年郵政省令第25号)https://laws.e-gov.go.jp/law/360M50001000025

本ページは、官公庁が公表した内容と条文の文言をもとに構成しています。個別の事案について判断が必要な場合は、弁護士にご相談ください。

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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