企業法務最終更新: 2026-11-08約5分で読めます公表情報の要約

経済産業省がIoT製品のセキュリティ制度「JC-STAR」とEUサイバーレジリエンス法(CRA)の比較を本格化|日EUの協力覚書(2026年11月4日公表)

この記事は、官公庁が公表した内容と条文をもとに当事務所が整理したものです。 一次情報へのリンクを本文に掲載しています。個別の事案についてはご相談ください。

この記事のポイント

  • ✓経済産業省は2026年11月4日(IPA同時発表)、JC-STARとEUサイバーレジリエンス法(CRA)の制度比較に向けた日EU協力が本格化すると公表した
  • ✓2026年10月26日、CRA・JC-STAR技術ワーキンググループ(TWG)を運営する在欧日系ビジネス協議会(JBCE)と、EUの資金拠出を受けたStandICT.eu事務局が協力覚書(MoU)に署名した
  • ✓今後、経済産業省とIPAはJBCEと連携し、StandICT.eu事務局や欧州のサイバーセキュリティ専門家と共同で、JC-STARとCRAの制度や具体的なセキュリティ要件の比較・分析を本格化するとしている
  • ✓リリースによれば、CRAは2024年12月に発効し、2026年9月から脆弱性及びインシデント報告義務の適用が始まっており、2027年12月からはデジタル要素を含む製品に対する主要なサイバーセキュリティ要件が適用される予定である
  • ✓JC-STARはIPAが2025年3月から運用しており、2026年1月から英国PSTI法との相互承認、同年6月からシンガポールCLSとの相互承認を開始しているとリリースは記載している

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経済産業省は2026年11月4日、「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)とEUサイバーレジリエンス法(CRA)の制度比較に向けた日EU協力が本格化します」と題するニュースリリースを公表しました。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)との同時発表です。

JC-STARは、IoT製品のセキュリティ対策を評価し、ラベルを付ける日本の制度です。CRAは、デジタル要素を含む製品にサイバーセキュリティ要件を課すEUの法律です。

このページは、経済産業省が公表した内容をそのまま整理したものです。

公表の概要

項目内容
公表日2026年(令和8年)11月4日
公表者経済産業省(同時発表:独立行政法人情報処理推進機構)
署名日2026年10月26日(月曜日)
署名の当事者在欧日系ビジネス協議会(JBCE)、StandICT.eu事務局
署名した文書協力覚書「日EU間のサイバーセキュリティ分野における制度及び標準化連携」
対象の枠組みCRA・JC-STAR技術ワーキンググループ(TWG)
今後の取組経済産業省とIPAが、JBCE・StandICT.eu事務局・欧州の専門家と共同で、両制度とセキュリティ要件の比較・分析を本格化

何が署名されたか

リリースは、2026年10月26日、ベルギーのブリュッセルにおいて、TWGの運営を行うJBCEと、EUの資金拠出を受けたStandICT.eu事務局が協力覚書に署名したと記載しています。TWGは、JC-STARとCRAの技術的な比較を行う枠組みです。署名時期の項では、署名はオンラインで行われたと記載されています。

StandICT.euは、EUの研究・イノベーション枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」の下で資金拠出を受けたデジタル技術規格のプロジェクトです。TWGは、JBCEとStandICT.eu及びCyberstand.EUが運営しているとリリースは記載しています。

覚書に基づき、JBCEとStandICT.euは次のことを行うとされています。

  • JC-STARとCRAのセキュリティ要件の比較、類似点や相違点等の特定の支援
  • 会議の主催を通じた、欧州と日本の専門家間の対話の促進
  • 双方間の継続的な交流の支援

TWGには経済産業省とIPAが参加し、日本とEUの専門家が、それぞれの法域の規制上の自律性を十分に尊重しながら両制度を比較するとしています。リリースは、今後、両制度の共通点や相違点が明確化され、日本企業が国内外のサイバーセキュリティ制度に効率的に対応できる環境整備が期待されると記載しています。

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リリースが示した両制度の時期

制度リリースに記載された時期
IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針(経済産業省)2024年8月公表
JC-STAR(IPAが運用)2025年3月運用開始
JC-STARと英国PSTI法の相互承認2026年1月開始
JC-STARとシンガポールCLS(サイバーセキュリティ・ラベリング・スキーム)の相互承認2026年6月開始
CRA(EU)の発効2024年12月
CRAの脆弱性及びインシデント報告義務2026年9月から適用
CRAのデジタル要素を含む製品に対する主要なサイバーセキュリティ要件2027年12月から適用予定

リリースは背景として、ルーターやネットワークカメラ、センサーなどのIoT製品が急速に普及する一方、IoT製品の脆弱性を悪用したサイバー攻撃も増加しているとしています。

弁護士 阿部祐介

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これまでのワークショップ

リリースは、JC-STARとCRAの比較・分析に関するワークショップの開催実績を次のとおり挙げています。

枠組み回日付・形式
INSTAR第1回2025年11月10日(オンライン)
INSTAR第2回2026年1月27日(ブリュッセル、ハイブリッド)
INSTAR第3回2026年6月9日(オンライン)
StandICT.eu第1回2026年9月14日(オンライン)

INSTARはEUの国際デジタル標準化協力プロジェクトで、現在はStandICT.euにプロジェクトが承継されていると注記されています。

今後の取組

リリースは、製品の設計段階からセキュリティ対策を考慮し、適切な対策が講じられたIoT製品が広まる仕組み作りを進めるとともに、類似制度をもつ諸外国との協力に向けて関係機関との情報共有などを進めるとしています。これにより、日本企業の国際的な制度対応の円滑化と、IoT製品のグローバルなサイバーセキュリティ対策水準の向上に貢献していくと記載しています。

経済産業省とIPAは、IoT製品のサイバーセキュリティ対策制度に関心を持つ国が参加する国際会議GCLI(グローバル・サイバーセキュリティ・ラベリング・イニシアティブ)にも参画しているとしています。

出典

  • 経済産業省「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)とEUサイバーレジリエンス法(CRA)の制度比較に向けた日EU協力が本格化します」(2026年11月4日) https://www.meti.go.jp/press/2026/11/20261104002.html
  • 独立行政法人情報処理推進機構「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」 https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/index.html

本ページは、官公庁が公表した内容と条文の文言をもとに構成しています。個別の事案について判断が必要な場合は、弁護士にご相談ください。

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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