経済産業省は2026年11月4日、「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)とEUサイバーレジリエンス法(CRA)の制度比較に向けた日EU協力が本格化します」と題するニュースリリースを公表しました。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)との同時発表です。
JC-STARは、IoT製品のセキュリティ対策を評価し、ラベルを付ける日本の制度です。CRAは、デジタル要素を含む製品にサイバーセキュリティ要件を課すEUの法律です。
このページは、経済産業省が公表した内容をそのまま整理したものです。
公表の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年(令和8年)11月4日 |
| 公表者 | 経済産業省(同時発表:独立行政法人情報処理推進機構) |
| 署名日 | 2026年10月26日(月曜日) |
| 署名の当事者 | 在欧日系ビジネス協議会(JBCE)、StandICT.eu事務局 |
| 署名した文書 | 協力覚書「日EU間のサイバーセキュリティ分野における制度及び標準化連携」 |
| 対象の枠組み | CRA・JC-STAR技術ワーキンググループ(TWG) |
| 今後の取組 | 経済産業省とIPAが、JBCE・StandICT.eu事務局・欧州の専門家と共同で、両制度とセキュリティ要件の比較・分析を本格化 |
何が署名されたか
リリースは、2026年10月26日、ベルギーのブリュッセルにおいて、TWGの運営を行うJBCEと、EUの資金拠出を受けたStandICT.eu事務局が協力覚書に署名したと記載しています。TWGは、JC-STARとCRAの技術的な比較を行う枠組みです。署名時期の項では、署名はオンラインで行われたと記載されています。
StandICT.euは、EUの研究・イノベーション枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」の下で資金拠出を受けたデジタル技術規格のプロジェクトです。TWGは、JBCEとStandICT.eu及びCyberstand.EUが運営しているとリリースは記載しています。
覚書に基づき、JBCEとStandICT.euは次のことを行うとされています。
- JC-STARとCRAのセキュリティ要件の比較、類似点や相違点等の特定の支援
- 会議の主催を通じた、欧州と日本の専門家間の対話の促進
- 双方間の継続的な交流の支援
TWGには経済産業省とIPAが参加し、日本とEUの専門家が、それぞれの法域の規制上の自律性を十分に尊重しながら両制度を比較するとしています。リリースは、今後、両制度の共通点や相違点が明確化され、日本企業が国内外のサイバーセキュリティ制度に効率的に対応できる環境整備が期待されると記載しています。
リリースが示した両制度の時期
| 制度 | リリースに記載された時期 |
|---|---|
| IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針(経済産業省) | 2024年8月公表 |
| JC-STAR(IPAが運用) | 2025年3月運用開始 |
| JC-STARと英国PSTI法の相互承認 | 2026年1月開始 |
| JC-STARとシンガポールCLS(サイバーセキュリティ・ラベリング・スキーム)の相互承認 | 2026年6月開始 |
| CRA(EU)の発効 | 2024年12月 |
| CRAの脆弱性及びインシデント報告義務 | 2026年9月から適用 |
| CRAのデジタル要素を含む製品に対する主要なサイバーセキュリティ要件 | 2027年12月から適用予定 |
リリースは背景として、ルーターやネットワークカメラ、センサーなどのIoT製品が急速に普及する一方、IoT製品の脆弱性を悪用したサイバー攻撃も増加しているとしています。

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これまでのワークショップ
リリースは、JC-STARとCRAの比較・分析に関するワークショップの開催実績を次のとおり挙げています。
| 枠組み | 回 | 日付・形式 |
|---|---|---|
| INSTAR | 第1回 | 2025年11月10日(オンライン) |
| INSTAR | 第2回 | 2026年1月27日(ブリュッセル、ハイブリッド) |
| INSTAR | 第3回 | 2026年6月9日(オンライン) |
| StandICT.eu | 第1回 | 2026年9月14日(オンライン) |
INSTARはEUの国際デジタル標準化協力プロジェクトで、現在はStandICT.euにプロジェクトが承継されていると注記されています。
今後の取組
リリースは、製品の設計段階からセキュリティ対策を考慮し、適切な対策が講じられたIoT製品が広まる仕組み作りを進めるとともに、類似制度をもつ諸外国との協力に向けて関係機関との情報共有などを進めるとしています。これにより、日本企業の国際的な制度対応の円滑化と、IoT製品のグローバルなサイバーセキュリティ対策水準の向上に貢献していくと記載しています。
経済産業省とIPAは、IoT製品のサイバーセキュリティ対策制度に関心を持つ国が参加する国際会議GCLI(グローバル・サイバーセキュリティ・ラベリング・イニシアティブ)にも参画しているとしています。
出典
- 経済産業省「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)とEUサイバーレジリエンス法(CRA)の制度比較に向けた日EU協力が本格化します」(2026年11月4日) https://www.meti.go.jp/press/2026/11/20261104002.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」 https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/index.html
本ページは、官公庁が公表した内容と条文の文言をもとに構成しています。個別の事案について判断が必要な場合は、弁護士にご相談ください。
