消滅時効とは
一定期間行使されなかった権利が消滅する制度です(民法166条)。借金の場合、時効が完成すると返済義務がなくなります。
2020年改正後の時効期間
一般的な債権(民法166条1項)
- 主観的起算点: 権利を行使することができることを知った時から5年
- 客観的起算点: 権利を行使することができる時から10年
- いずれか早い方で時効が完成します。
商事債権
改正前は商法522条により5年でしたが、改正後は民法に一元化されました。
時効の完成猶予・更新(旧: 中断)
時効が更新(リセット)される場合
- 承認(法152条): 債務の一部弁済や支払猶予の申入れ
- 確定判決(法169条): 判決確定時から新たに10年
- 強制執行(法148条): 差押え等の手続き
時効が猶予される場合
- 裁判上の請求(法147条): 訴訟提起中は時効完成が猶予
- 催告(法150条): 催告から6ヶ月間猶予(1回限り)
- 協議を行う旨の合意(法151条): 書面合意で最長1年猶予
時効の援用方法
時効は自動的に適用されず、援用(主張)する必要があります(法145条)。
具体的な手続き
- 配達証明付き内容証明郵便で債権者に「時効を援用する」旨を通知
- 記載事項: 債権の特定(契約日、契約番号等)、時効援用の意思表示
- 送付先: 債権者(債権譲渡されている場合は現債権者)
時効援用の注意点
- 債務承認をしない: 一部弁済や「払います」と言うと時効が更新される
- 裁判所からの書類は無視しない: 放置すると判決が確定し時効が10年に延長
- 信用情報: 時効援用しても事故情報が5年間残る場合がある
根拠条文
- 民法145条(時効の援用)、166条(消滅時効の期間)
- 民法147条〜152条(完成猶予・更新事由)
- 民法169条(確定判決と時効)