個人再生とは
個人再生とは、裁判所の認可を受けた再生計画に基づき、借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で分割返済する手続きです(民事再生法221条以下)。
自己破産との比較
| 項目 | 個人再生 | 自己破産 |
|---|
| 借金の減額 | 1/5〜1/10に減額 | 全額免除 |
| 住宅 | 住宅ローン特則で残せる | 原則処分 |
| 職業制限 | なし | 一部制限あり |
| 免責不許可事由 | なし(浪費でもOK) | あり(裁量免責の余地) |
| 返済義務 | 3〜5年の分割返済 | なし |
2つの手続き
小規模個人再生(民事再生法221条)
- 対象: 将来継続的に収入を得る見込みがある個人
- 債務総額: 住宅ローンを除き5,000万円以下
- 債権者の同意: 不同意が半数未満かつ債権額の半額未満であること
給与所得者等再生(民事再生法239条)
- 対象: 給与等の定期的収入があり、その変動が小さい個人
- 債権者の同意: 不要(裁判所の認可のみ)
- 最低弁済額: 可処分所得の2年分以上(小規模より高くなることが多い)
最低弁済額
| 債務総額 | 最低弁済額 |
|---|
| 100万円未満 | 全額 |
| 100万〜500万円 | 100万円 |
| 500万〜1,500万円 | 債務の1/5 |
| 1,500万〜3,000万円 | 300万円 |
| 3,000万〜5,000万円 | 債務の1/10 |
住宅ローン特則(住宅資金特別条項)
個人再生の最大のメリットは、住宅ローンを従来どおり支払い続けることで自宅を残せる制度です(民事再生法196条〜206条)。
利用条件
- 住宅ローンが住宅の建設・購入・改良のための借入であること
- 申立人が所有し居住していること
- 住宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと
手続きの流れ
- 弁護士への相談・依頼
- 受任通知の送付(取立て停止)
- 申立て準備(財産目録、債権者一覧表等)
- 裁判所への申立て
- 再生手続開始決定
- 再生計画案の作成・提出
- 債権者の書面決議(小規模の場合)
- 裁判所の認可決定
- 3〜5年間の分割返済
費用
| 項目 | 費用 |
|---|
| 弁護士費用 | 30〜60万円 |
| 裁判所への予納金 | 約1〜3万円 |
| 個人再生委員の報酬 | 15〜25万円(選任される場合) |
根拠条文
- 民事再生法221条〜245条(小規模個人再生)、239条(給与所得者等再生)
- 民事再生法196条〜206条(住宅資金特別条項)