企業法務の全記事を見る最終更新: 2026-03-30約3分で読めます

特許出願の基礎知識|手続きの流れ・費用・審査のポイントを解説

この記事のポイント

  • 日本は先願主義のため、発明したら早期出願が鉄則
  • 出願から特許成立まで平均2〜3年かかる
  • 審査請求は出願から3年以内に行わなければ権利消滅
  • 国内出願費用の目安は弁理士費用込みで30〜60万円
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特許とは

特許権は、新規の発明を一定期間(出願日から20年)独占的に実施できる権利です(特許法67条)。発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されます(特許法2条1項)

特許を受けられる要件

特許を受けるには、以下の要件をすべて満たす必要があります(特許法29条)

要件内容
産業上の利用可能性産業として実施できるもの
新規性出願前に公知・公用でないこと
進歩性当業者が容易に発明できないこと

また、先願主義(特許法39条)により、同一発明について複数の出願がある場合は最先の出願者のみが特許を受けられます。

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出願手続きの流れ

1. 先行技術調査

出願前に、すでに同様の発明が公開されていないかを調査します。J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)を活用して国内外の特許文献を調査します。

2. 明細書等の作成

特許出願には以下の書類が必要です(特許法36条)

  • 特許請求の範囲(クレーム): 権利の保護範囲を定める最重要書類
  • 明細書: 発明の詳細な説明
  • 図面(必要な場合)
  • 要約書

クレームの記載は権利範囲に直結するため、専門家(弁理士)に依頼することを強く推奨します。

3. 特許庁への出願

特許庁に書類を提出します。出願日が先願日として確定します。電子出願(インターネット出願)が主流です。

4. 出願公開

出願から18ヶ月後に、出願内容が特許公報で公開されます(特許法64条)。公開前は技術内容が秘密に保たれます。

5. 審査請求

特許庁による実体審査は自動的には開始されません。出願から3年以内に審査請求を行う必要があります(特許法48条の3)。審査請求をしないと出願が取り下げとみなされます。

6. 実体審査

審査官が新規性・進歩性等を審査します。審査期間は審査請求後平均14ヶ月程度です(2023年統計)。

7. 拒絶理由通知と意見書・補正書

審査官から拒絶理由が通知された場合、意見書(反論)や補正書(クレームの修正)を提出して対応します(特許法50条)。この「中間処理」は権利化の重要なプロセスです。

8. 特許査定・登録

拒絶理由が解消されると特許査定がなされ、特許料を納付することで特許権が設定登録されます(特許法66条)

費用の目安

項目費用(概算)
弁理士費用(出願)15〜30万円
特許庁納付金(出願料)約1万4,000円
審査請求料約13万8,000円(クレーム数による)
特許料(登録〜3年分)約5万円
合計(目安)30〜60万円

外国出願

日本出願後12ヶ月以内に外国出願することで、日本の出願日を優先日として主張できます(パリ条約4条、特許法43条)。PCT(特許協力条約)出願を利用すると、1つの出願で複数国への出願手続きを一括して行えます。

職務発明に関する注意点

従業員が職務として行った発明(職務発明)については、会社が特許を受ける権利を承継できますが、従業員には相当の利益(旧法:相当の対価)を受ける権利があります(特許法35条)。就業規則や発明規程の整備が重要です。

まとめ

特許出願は「早く・広く・正確に」が基本です。先願主義のもとでは発明の完成後できる限り早く出願し、クレームは権利範囲を適切にカバーするよう弁理士と連携して作成することが重要です。

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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