企業法務の全記事を見る最終更新: 2026-03-13約3分で読めます

事業承継の方法|親族内承継・M&A・MBOの比較と税制優遇

この記事のポイント

  • 事業承継は親族内承継・従業員承継・M&Aの3パターンがある
  • 事業承継税制の特例で贈与税・相続税が猶予される場合がある
  • 計画的な準備に5〜10年かけるのが理想的
  • 株式評価の方法によって税額が大きく変わる
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事業承継の現状

中小企業庁によると、2025年までに経営者の約64%が70歳以上となり、その約半数が後継者未定です。事業承継は中小企業にとって喫緊の課題です。

3つの承継方法

方法メリットデメリット
親族内承継社内外の理解を得やすい / 相続による株式移転が可能適任者がいるとは限らない / 相続問題
従業員承継(MBO)事業をよく知る人材 / 社風の維持株式買取資金の調達が課題
M&A(第三者承継)後継者不在でも事業継続可能 / 創業者利益従業員の不安 / 文化の違い

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事業承継税制(特例措置)

概要

後継者が先代経営者から株式を贈与又は相続により取得した場合、一定の要件を満たすと贈与税・相続税の納税が猶予される制度です(租税特別措置法70条の7〜70条の7の8)

特例措置の要件(2018年度〜2027年度の10年間限定)

  • 特例承継計画を都道府県に提出(2026年3月31日まで)
  • 後継者が代表者に就任すること
  • 一定期間雇用の8割以上を維持(未達成でも理由書提出で継続可能)
  • 対象株式: 全株式が対象(一般措置は2/3まで)
  • 猶予割合: 100%(一般措置は80%)

効果

  • 贈与税: 全額猶予 → 先代死亡時に相続税に切替え
  • 相続税: 全額猶予 → 後継者が死亡等で免除

経営承継円滑化法

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律により、以下の支援を受けられます:

  1. 遺留分に関する民法の特例: 先代経営者から後継者に贈与された株式を遺留分算定の基礎財産から除外又は固定する合意が可能
  2. 金融支援: 事業承継に必要な資金の融資保証
  3. 税制支援: 上記の事業承継税制

株式評価

非上場株式の評価方法(相続税評価):

方法概要適用場面
類似業種比準方式上場類似企業の株価を参考大会社
純資産価額方式会社の純資産で評価小会社
配当還元方式年間配当を基準少数株主

事業承継の進め方

ステップ1: 現状把握(5〜10年前)

  • 会社の経営状況、資産・負債の棚卸し
  • 株主構成の確認

ステップ2: 承継方法の選択(3〜5年前)

  • 後継者候補の選定
  • M&Aの検討

ステップ3: 承継計画の策定・実行(1〜3年前)

  • 特例承継計画の提出
  • 株式の移転(贈与・売買)
  • 経営権の段階的な移行

ステップ4: 承継の実行・フォロー

  • 代表者の交代
  • 取引先・金融機関への通知
  • 一定期間のサポート体制

相談窓口

  • 事業承継・引継ぎ支援センター: 各都道府県に設置(無料相談)
  • よろず支援拠点: 中小企業の経営相談全般

根拠条文

  • 租税特別措置法70条の7〜70条の7の8(事業承継税制)
  • 経営承継円滑化法(遺留分の特例、金融支援)
  • 会社法(株式譲渡、事業譲渡等)

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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