労働問題の全記事を見る最終更新: 2026-03-13約2分で読めます

固定残業代(みなし残業)は有効?|違法になるケースと未払い残業代の請求

この記事のポイント

  • 固定残業代は基本給と明確に区分されていないと無効になる
  • 対象時間数を超えた分の残業代は別途支払いが必要
  • 無効な固定残業代は全額が残業代の計算基礎に含まれる
  • 求人票の「みなし残業○時間含む」の記載に注意すべき
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固定残業代(みなし残業代)とは

基本給や手当に一定時間分の時間外労働手当をあらかじめ組み込む制度です。それ自体は直ちに違法ではありませんが、有効であるための要件を満たす必要があります。

有効要件(判例基準)

最高裁判例(高知県観光事件・最判平成6年6月13日、テックジャパン事件・最判平成24年3月8日等)により、以下の要件が確立されています。

1. 明確区分性

基本給部分と固定残業代部分が明確に区分されていること。 - NG: 「月給30万円(残業代込み)」→ 区分不明確で無効 - OK: 「基本給25万円 + 固定残業手当5万円(30時間分)」

2. 対価性

固定残業代が時間外労働の対価として支払われていること。 - 手当の名称が「営業手当」「職務手当」等でも、実質的に残業代の対価であることが必要

3. 超過分の精算

固定残業時間を超える時間外労働があった場合に差額を支払う合意があること。 - 「固定残業代で全てカバー」という運用は無効

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違法な固定残業代のパターン

  1. 基本給と残業代の区分がない: 「月給○万円(残業代含む)」
  2. 超過分を支払わない: 固定の30時間を超えても追加支払いなし
  3. 固定残業時間が長すぎる: 80時間以上 → 36協定の上限(原則45時間)を超え、公序良俗違反の可能性
  4. 求人票と雇用契約書の記載不一致
  5. 基本給が最低賃金を下回る: 固定残業代を除いた基本給で最低賃金を満たす必要

未払い残業代の請求

計算方法

  1. 実際の残業時間を記録(タイムカード、PCログ、メール送信記録等)
  2. 固定残業時間を差し引く
  3. 超過分に割増賃金率を適用(法37条: 時間外25%、深夜50%、休日35%)

請求手順

  1. 会社への書面請求(内容証明郵便)
  2. 労働基準監督署への申告
  3. 労働審判(原則3回以内で終結)
  4. 訴訟

時効

  • 未払い賃金の消滅時効: 3年(労基法115条、2020年改正)
  • 改正前は2年だったが、当分の間3年に延長

根拠条文

  • 労働基準法37条(時間外・休日・深夜の割増賃金)
  • 労働基準法115条(時効: 3年)
  • 最判平成24年3月8日(テックジャパン事件)
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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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