著作権侵害が成立する要件
著作権侵害が成立するには、以下の2要件を満たす必要があります。
1. 依拠性
侵害者が著作物に接して、それをもとに制作したこと(単なる偶然の一致は侵害にならない)。
2. 類似性
侵害物が著作物と表現上本質的に同一または類似していること。アイデアは著作権で保護されず、表現のみが保護対象です(著作権法2条1項1号)。
差止請求(著作権法112条)
著作権者は、侵害行為の差止めと侵害物の廃棄・除去を請求できます。差止請求は過失不要であり、侵害の事実のみで認められます。
仮処分による緊急対応
侵害が継続している場合、本訴提起前に仮処分(民事保全法23条)を申立て、緊急に侵害行為を止めることが可能です。サイト上の画像・動画の削除や、侵害品の販売差止めに活用されます。
損害賠償請求(民法709条)
損害賠償請求には故意または過失が必要です。著作権侵害の場合、著作権の存在を知っていれば原則として過失が認められます。
損害額の算定(著作権法114条)
損害の立証は困難なため、著作権法114条に以下の推定規定があります。
| 条項 | 内容 |
|---|---|
| 114条1項 | 侵害者の利益額を著作権者の損害額と推定 |
| 114条2項 | 使用料相当額を損害額として請求可能 |
| 114条3項 | 裁判所が相当損害額を認定できる(立証困難な場合) |
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著作者人格権侵害
著作権(財産権)とは別に、著作者人格権(氏名表示権・同一性保持権・公表権)の侵害も問題となります(著作権法19〜21条)。著作者人格権は著作者本人にのみ帰属し、譲渡できません。
著作者人格権侵害に対しては、損害賠償のほか名誉回復措置(謝罪広告等)を請求できます(著作権法115条)。
刑事責任
著作権侵害は親告罪(一部を除く)ですが、刑事罰も規定されています(著作権法119条)。
- 著作権侵害: 10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその両方)
- 法人の場合: 3億円以下の罰金(著作権法124条)
実務上の対応手順
Step 1: 証拠の保全
侵害サイトのスクリーンショット、URL、日時を記録します。ウェブ魚拓等の第三者サービスも有効です。
Step 2: 警告書の送付
弁護士名義で内容証明郵便を送付し、侵害の停止と削除を求めます。多くの場合、この段階で解決します。
Step 3: 法的手続き
警告で解決しない場合、差止仮処分または本訴を提起します。
まとめ
著作権侵害への対処は、まず証拠保全と警告書送付が基本です。損害賠償請求では著作権法114条の推定規定を活用することで立証負担を軽減できます。侵害の悪質性が高い場合は刑事告訴も検討に値します。