不動産の全記事を見る最終更新: 2026-03-13約3分で読めます

立退き交渉の進め方|正当事由・立退料の相場・借家権の保護

この記事のポイント

  • 賃貸人が立退きを求めるには正当事由が必要
  • 立退料の支払いで正当事由が補完される場合がある
  • 借家権は借地借家法で強く保護されている
  • 立退きを拒否しても即座に追い出されることはない
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立退きの法的要件

借地借家法による保護

賃貸人が賃借人に対して建物の明渡しを求めるには、正当の事由が必要です(借地借家法28条)。これは賃借人保護のための強行規定であり、特約で排除することはできません(借地借家法30条)

ただし、定期借家契約(借地借家法38条)の場合は、期間満了により契約が終了し、正当事由は不要です。

正当事由の判断要素(借地借家法28条)

要素内容
①賃貸人の建物使用の必要性自己使用、建替え、再開発等の必要性
②賃借人の建物使用の必要性住居・営業の拠点としての必要性
③建物の賃貸借に関する従前の経過契約期間の長さ、賃料の支払状況、信頼関係
④建物の利用状況建物の老朽化の程度、利用形態
⑤建物の現況耐震性、安全性の問題
⑥立退料の提供財産上の給付(立退料)の申出

正当事由は総合判断であり、①②が主たる要素、③〜⑤が補完要素、⑥は不足する正当事由を補完するものです。

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立退料の相場

住居の場合

項目目安
引越費用実費(15〜40万円程度)
新居との賃料差額差額 × 1〜3年分
精神的負担数十万円
合計家賃の6ヶ月〜1年分が目安

店舗・事業用の場合

項目目安
移転費用引越し、内装工事、設備移設等
営業補償移転期間中の減収分
借家権価格更地価格 × 借家権割合(30%程度)× 賃借割合
得意先喪失の損害立地に依存する業種は高額に
合計数百万〜数千万円に及ぶことも

立退き交渉の進め方

1. 書面による通知

賃貸借契約の更新拒絶又は解約申入れを書面で通知します。 - 更新拒絶: 期間満了の1年〜6ヶ月前まで(借地借家法26条1項) - 解約申入れ: 申入れから6ヶ月後に契約終了(借地借家法27条1項)

2. 交渉

賃借人と面談し、立退き条件(時期、立退料等)を交渉します。

3. 調停

話し合いがまとまらない場合、民事調停(民事調停法)を利用。

4. 訴訟

調停でも解決しない場合、建物明渡訴訟を提起します。

賃借人が知っておくべきこと

  1. 立退きを拒否する権利: 正当事由がなければ応じる義務はない
  2. 立退料の交渉: 提示された金額が低い場合は増額を交渉可能
  3. 弁護士への相談: 特に事業用物件は金額が大きくなるため専門家に相談
  4. 合意内容の書面化: 立退き合意書を作成し、条件を明確化

根拠条文

  • 借地借家法26条(更新拒絶の通知)、27条(解約の申入れ)、28条(正当事由)
  • 借地借家法30条(強行規定)、38条(定期借家)
  • 民法601条(賃貸借)
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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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