不動産の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

隣地との境界トラブル|筆界特定制度と境界確認訴訟の使い方

この記事のポイント

  • 筆界特定は法務局に申請でき裁判より費用が低い
  • 境界確認訴訟は筆界特定で解決しない場合の最終手段
  • 境界標の設置や測量図の保管が将来のトラブル予防になる
  • 土地売却前に境界確認をしておくと取引がスムーズになる

境界トラブルの概要

隣地との境界が不明確な場合、以下の問題が生じます。 - 建物の建築(民法234条: 境界線から50cm後退義務)に支障 - 土地の売却時に測量図が作成できない - 隣人との関係悪化

「筆界」と「所有権界」の違い

筆界

登記上の土地の境界線。法務局に登記された公法上の境界であり、当事者間の合意では変更できません

所有権界

実際の所有権の及ぶ範囲。時効取得(民法162条)や合意により筆界と異なる場合があります。

筆界特定制度(不動産登記法123条〜)

2006年に創設された法務局によるADR的制度です。

特徴

  • 申請先: 管轄法務局
  • 費用: 収入印紙(数千円)+ 測量費用(実費)
  • 期間: 6ヶ月〜1年程度
  • 効力: 確定的な筆界を特定(ただし訴訟で覆る可能性あり)

手続きの流れ

  1. 筆界特定申請書の提出
  2. 筆界調査委員(土地家屋調査士等)による調査
  3. 測量の実施
  4. 意見聴取
  5. 筆界特定登記官による筆界の特定

境界確認訴訟

特徴

  • 管轄: 不動産所在地の地方裁判所
  • 費用: 訴訟費用 + 弁護士費用 + 鑑定費用(数十万円〜)
  • 期間: 1年〜2年
  • 効力: 確定判決で境界が確定

訴訟が必要なケース

  • 筆界特定の結果に不服がある場合
  • 所有権界と筆界が異なる場合(時効取得の主張等)
  • 隣人が筆界特定手続に協力しない場合

境界トラブル防止のポイント

  1. 境界標の設置・維持: コンクリート杭、金属プレート等
  2. 確定測量の実施: 売却前に境界を確定
  3. 境界確認書の作成: 隣人との合意を書面化
  4. 筆界特定制度の早期利用: 争いが深刻化する前に

根拠条文

  • 不動産登記法123条〜150条(筆界特定制度)
  • 民法162条(取得時効)、234条(境界線付近の建築制限)
  • 民法209条(隣地使用権)
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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