デジタル遺産とは
被相続人が保有していたデジタル上の資産・アカウントの総称です。
デジタル遺産の種類
- 暗号資産(仮想通貨): ビットコイン、イーサリアム等
- 電子マネー・ポイント: PayPay残高、楽天ポイント等
- SNSアカウント: Facebook、X(旧Twitter)、Instagram等
- 有料サービス: Netflix、Spotify等のサブスクリプション
- ネット銀行・証券口座: オンライン専用の金融口座
- 電子書籍・音楽: Kindle、Apple Music等の購入コンテンツ
暗号資産の相続
法的性質
暗号資産は資金決済法2条14項に定義される「暗号資産」として法的に認められており、相続財産に含まれます。
相続税の課税
暗号資産の相続時の時価(被相続人の死亡日の取引価格)に対して相続税が課税されます。国税庁は暗号資産を「その他の財産」として評価する方針を示しています。
実務上の問題
- 秘密鍵(プライベートキー)の紛失: ウォレットにアクセスできなくなると事実上回復不可能
- 取引所口座の相続手続き: 死亡届の提出、戸籍謄本等の提出が必要
- ハードウェアウォレット: パスワード・PINコードが不明だとアクセス困難
SNSアカウントの扱い
各サービスの対応
- Facebook: 「追悼アカウント」に変更 or 削除を選択可能
- X(旧Twitter): 故人のアカウントの無効化を申請可能
- Instagram: 追悼アカウント化 or 削除
- Google: 「アカウント無効化管理ツール」で事前に設定可能
法的問題
- アカウントの利用規約上、一身専属権として相続対象外とされることが多い
- ただし、アカウントに紐づく財産的価値(広告収入、デジタルコンテンツ)は相続財産になりうる
サブスクリプションの対応
死亡後も放置すると課金が継続します。 1. クレジットカードの停止・解約 2. 各サービスの解約手続き 3. 口座自動引落としの停止
デジタル遺産への備え
- デジタル資産リストの作成(サービス名、ID、パスワード等)
- パスワードマネージャーの利用と緊急アクセス設定
- 遺言書への記載: デジタル資産の取扱いを明記
- エンディングノート: 法的効力はないが家族への指示として有用
根拠条文
- 民法896条(相続の一般的効力)
- 資金決済法2条14項(暗号資産の定義)
- 相続税法2条(相続税の課税対象)