年金分割制度とは
離婚時に婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を分割し、将来の年金額に反映させる制度です。
2つの分割方法
合意分割(厚生年金保険法78条の2)
2007年4月以降の離婚に適用。当事者間の合意又は裁判所の決定により按分割合を定めます。
#### 按分割合 - 上限: 50%(2分の1) - 裁判所は原則として50%を認める傾向 - 対象: 婚姻期間中の厚生年金の報酬比例部分のみ(基礎年金は対象外)
3号分割(厚生年金保険法78条の14)
2008年4月以降の婚姻期間中の記録について、相手方の同意なく自動的に2分の1に分割。
#### 適用条件 - 第3号被保険者(配偶者の扶養に入っていた期間)であること - 2008年4月1日以降の期間のみ対象
手続きの流れ
合意分割の場合
- 情報通知書の取得: 年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を提出
- 按分割合の合意: 離婚協議書に記載 or 調停・審判で決定
- 年金事務所への届出: 合意成立後、「標準報酬改定請求書」を提出
3号分割の場合
- 離婚成立後、年金事務所に「標準報酬改定請求書」を提出するだけ
- 相手方の合意は不要
請求期限
離婚成立日の翌日から2年以内に請求しなければなりません。この期限を過ぎると分割請求はできなくなります。
注意点
- 年金分割は将来の年金受給額に影響(即時の支払いではない)
- 分割されるのは厚生年金のみ(国民年金の基礎年金部分、企業年金、iDeCo等は対象外)
- 分割しても年金受給年齢(原則65歳)に達するまで受給できない
- 共働きの場合は双方の記録を比較して差額を分割
根拠条文
- 厚生年金保険法78条の2(合意分割)
- 厚生年金保険法78条の14(3号分割)
- 厚生年金保険法78条の2第2項(按分割合の上限)