離婚の全記事を見る最終更新: 2026-03-13約2分で読めます

養育費の不払いへの対処法|強制執行・履行勧告の手続き

この記事のポイント

  • 養育費の不払いには給与の差押えが最も効果的
  • 2020年改正で財産開示手続の罰則が強化された
  • 公正証書や調停調書があれば直接強制執行できる
  • 履行勧告は家庭裁判所に無料で申し立てられる
この記事をシェア

養育費不払いの現状

厚生労働省の調査によると、母子世帯で養育費を現在も受けている割合は約28.1%にとどまり、不払いが深刻な社会問題となっています。

対処法の段階

1. 直接の督促

まず相手に連絡し、支払いを求めます。メールやLINE等、記録が残る方法で連絡することが重要です。

2. 内容証明郵便

書面で正式に支払いを請求します。法的効力自体はありませんが、心理的なプレッシャーと証拠としての意味があります。

3. 履行勧告(家事事件手続法289条)

家庭裁判所の調停・審判で養育費が決まっている場合、家庭裁判所に履行勧告を申し出ることができます。裁判所が相手に支払いを勧告します。費用は無料ですが、強制力はありません。

4. 履行命令(家事事件手続法290条)

履行勧告に従わない場合、履行命令を申し立てることができます。正当な理由なく命令に従わない場合、10万円以下の過料が科されます。

5. 強制執行(民事執行法)

最も強力な手段です。債務名義(調停調書、審判書、強制執行認諾文言付き公正証書等)があれば、相手の財産を差し押さえることができます。

#### 給与差押えの特則 養育費の場合、通常の債権とは異なり、給与の2分の1まで差押え可能です(民事執行法152条3項)。通常の債権は4分の1まで。

#### 将来分の差押え 養育費については、未払い分だけでなく将来分についても一括して差し押さえることが可能です(民事執行法151条の2)

この記事に関連する無料ツール

養育費計算シミュレーター

この記事の分野に関連する無料シミュレーターをお試しください。

無料で試す →

2020年改正民事執行法の強化

財産開示手続の実効性強化

改正前は不出頭・虚偽陳述に対して過料(30万円以下)のみでしたが、改正後は6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金(民事執行法213条1項5号・6号)に引き上げられました。

第三者からの情報取得手続の新設

裁判所が以下の第三者に対して、債務者の財産情報の提供を命じることができます(民事執行法204条〜)。 - 金融機関: 預貯金口座の有無・残高 - 登記所: 不動産の所有状況 - 市町村・年金機構: 勤務先情報

債務名義がない場合

離婚時に口約束だけで養育費を決めた場合、まず家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てる必要があります(家事事件手続法244条、別表第二)

この記事をシェア
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

関連記事

関連するQ&A

関連する法律用語

おすすめの関連記事

離婚

DV被害と保護命令|配偶者暴力防止法に基づく法的保護

DV(配偶者暴力)被害者の法的保護を解説。配偶者暴力防止法に基づく保護命令(接近禁止命令・退去命令)の種類、申立て手続き、シェルターの利用方法を説明します。

記事を読む
離婚

モラハラ離婚の進め方|証拠収集から調停・裁判まで

モラルハラスメント(モラハラ)を理由とする離婚の進め方を解説。モラハラの典型パターン、証拠の集め方、調停・裁判での立証方法、慰謝料の相場について説明します。

記事を読む
離婚

面会交流の取り決め|頻度・方法・拒否された場合の対処法

離婚後の面会交流(面接交渉)の取り決め方を解説。頻度・方法の決め方、調停・審判での取り決め、相手が面会交流を拒否した場合の間接強制について説明します。

記事を読む
離婚

国際離婚の手続き|準拠法・管轄・子の親権の決め方

国際結婚の離婚手続きを解説。準拠法の決定(法の適用に関する通則法27条)、日本の裁判所の管轄、子の親権・監護権の問題、ハーグ条約に基づく子の返還手続きについて説明します。

記事を読む
離婚

離婚時の年金分割|合意分割と3号分割の違い・手続きの流れ

離婚時の年金分割制度(合意分割・3号分割)の仕組み、請求手続き、按分割合の決め方、請求期限を解説。

記事を読む
離婚

離婚時の住宅ローン問題|残債がある家をどうするか

離婚時に住宅ローンが残っている場合の選択肢を解説。自宅の売却、一方が住み続ける場合の名義変更、ペアローンの問題。

記事を読む
弁護士監修記事

法律の悩み、まずは専門家に相談を

本記事の情報は一般的な解説です。個別の事情によって結論は変わります。お住まいの地域の弁護士会へ早めにご相談ください。

日弁連 法律相談ガイド