国際離婚の準拠法
国際離婚の場合、どの国の法律が適用されるか(準拠法)が最初の問題となります。
法の適用に関する通則法27条
離婚の準拠法は以下の順序で決まります: 1. 夫婦の本国法が同一: その本国法 2. 夫婦の常居所地法が同一: その常居所地法 3. 夫婦に最も密接な関係がある地の法: その地の法
例: 日本人とアメリカ人の夫婦が日本に住んでいる場合 → 日本法が準拠法
日本法が適用される場合
日本法が準拠法となる場合、協議離婚(民法763条)が可能です。これは世界的に見て珍しい制度で、裁判所を経ずに離婚届の提出のみで離婚が成立します。
管轄
日本の裁判所に管轄があるケース
人事訴訟法3条の2により、以下の場合に日本の裁判所に管轄があります: - 被告の住所が日本にある場合 - 原告の住所が日本にあり、夫婦の最後の共通住所が日本にある場合 - 被告が行方不明の場合で原告が日本に住所を有する場合
子の親権・監護権
準拠法(通則法32条)
親子間の法律関係は、子の本国法が父又は母の本国法と同一である場合は子の本国法、そうでない場合は子の常居所地法によります。
ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)
日本は2014年にハーグ条約を批准。常居所地国から不法に連れ去られた子は原則として元の国に返還されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 16歳未満の子 |
| 返還拒否事由 | 1年以上経過し子が定着 / 子への重大な危険 / 子の拒絶(成熟度考慮) |
| 日本の実施法 | 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 |
| 中央当局 | 外務省 |
外国判決の承認
外国での離婚判決が日本で効力を持つには、民事訴訟法118条の要件を満たす必要があります: 1. 外国裁判所の管轄権が認められること 2. 敗訴被告に送達がなされたこと 3. 判決の内容が日本の公序良俗に反しないこと 4. 相互の保証があること
根拠条文
- 法の適用に関する通則法27条(離婚の準拠法)、32条(親子間の法律関係)
- 人事訴訟法3条の2(国際裁判管轄)
- 民事訴訟法118条(外国判決の承認)
- ハーグ条約実施法