共同親権制度の概要
2026年4月1日、改正民法(令和6年法律第33号)が施行され、離婚後の共同親権が日本で初めて認められました。従来の日本の民法では、離婚後は父母のいずれか一方のみが親権者となる「単独親権」制度でしたが、今回の改正により選択的共同親権制度が導入されています。
単独親権と共同親権の選択方法
改正後の民法819条では、離婚時に以下の方法で親権を決定します。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 協議離婚 | 父母の協議により、単独親権・共同親権のいずれかを選択 |
| 調停・裁判 | 協議が整わない場合、家庭裁判所が「子の利益」を基準に判断 |
家庭裁判所は、子の利益を最優先に考慮し、父母の協力関係、子との関わり方、生活環境などを総合的に判断します。
DV・虐待がある場合の除外規定
改正民法819条7項は、以下の場合に必ず単独親権とすることを定めています。
- 父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがある場合(虐待)
- 父母の一方が他方に対しDV(配偶者暴力)を行うおそれがある場合
この除外規定は「必ず」適用されるため、DV・虐待事案で共同親権が強制されることはありません。
法定養育費制度の新設
改正により、法定養育費が新設されました(民法766条の3)。養育費の取り決めがない場合でも、子1人あたり月額2万円が法定額として請求可能です。これは最低保障額であり、個別事情に応じてより高額な養育費を請求することも可能です。
法定養育費の特徴
- 養育費の取り決めがない場合に自動適用
- 先取特権が付与され、他の一般債権に優先して回収可能
- 子の生活水準に応じた増額請求も別途可能
既に離婚済みの方への影響
改正法の附則により、施行日前に離婚した方も家庭裁判所に申し立てることで、共同親権への変更が可能です。ただし、相手方の同意が得られない場合は、家裁が子の利益を基準に判断します。
実務上の注意点
- 共同親権の場合、子の進学・医療など重要事項は父母の合意が必要
- 日常的な監護(食事・通学など)は同居親が単独で判断可能
- 急迫の事情がある場合は単独で親権行使が可能(改正民法824条の2第1項3号)
- 共同親権を選択する場合、養育計画の作成が推奨される