製造物責任法(PL法)とは
1995年施行の製造物責任法は、製品の欠陥により被害を受けた消費者が、製造者の過失を証明しなくても損害賠償を請求できる制度です(法3条)。
民法との違い
- 民法709条(過失責任): 被害者がメーカーの過失を立証する必要あり → 困難
- PL法3条(無過失責任): 欠陥の存在を立証すれば足りる → 消費者に有利
「欠陥」の3類型(法2条2項)
1. 設計上の欠陥
製品の設計自体に問題がある場合。より安全な代替設計が可能だったこと。
2. 製造上の欠陥
設計通りに製造されなかった場合。製造過程での不良品。
3. 指示・警告上の欠陥
適切な使用方法や危険性の警告が不十分な場合。取扱説明書の不備。
責任を負う者(法2条3項)
- 製造者: 完成品メーカー
- 加工者: 部品・原材料の加工業者
- 輸入者: 海外製品の輸入業者
- 表示製造者: OEM等で自社名を表示した者
損害賠償請求の手順
1. 証拠の保全
- 欠陥製品の現物保存(修理・廃棄しない)
- 事故状況の写真・動画
- 医療記録(診断書、領収書)
- 購入記録(レシート、保証書)
2. メーカーへの通知
- 事故の事実と製品の欠陥を書面で通知
- 製品の調査・回収を要求
- 損害賠償を請求
3. 消費者事故等の通報
- 消費者安全法に基づき消費者庁に通報可能
- リコール情報: 消費者庁リコール情報サイトで確認
免責事由(法4条)
以下の場合、製造者は責任を免れる可能性があります。 - 開発危険の抗弁: 製造時の科学・技術水準では欠陥を認識できなかった - 部品の抗弁: 完成品メーカーの設計指示に従ったため欠陥が生じた
時効(法5条)
- 被害者を知った時から3年
- 製品引渡しから10年(身体蓄積性損害・潜伏性損害は除く)
根拠条文
- 製造物責任法2条(定義)、3条(責任)、4条(免責)、5条(時効)
- 民法709条(不法行為)
- 消費者安全法12条(重大事故等の通報)