【2026年最新】相続税の税率・控除・申告期限を完全解説|非居住者の課税ルールも網羅
相続最終更新: 2026-04-29約6分で読めます

【2026年最新】相続税の税率・控除・申告期限を完全解説|非居住者の課税ルールも網羅

この記事のポイント

  • 相続税の税率は10%〜55%の8段階累進課税(相続税法第16条)
  • 基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、これ以下なら申告不要
  • 配偶者控除は1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい方まで非課税
  • 相続税の申告期限は被相続人の死亡を知った日から10ヶ月以内、相続放棄は3ヶ月以内
  • 海外在住でも過去10年以内に日本に住所があった日本国籍者は全世界財産が課税対象
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相続税とは

相続税は、亡くなった方(被相続人)の財産を相続・遺贈により取得した場合に課される税金です。日本の相続税は相続税法(昭和25年法律第73号)に基づき、取得課税方式を採用しています。各相続人が実際に取得した財産に応じて税額が計算されますが、まず遺産総額から基礎控除を差し引き、法定相続分で按分した上で税率を適用するという独特の計算方法をとります。

相続税の税率(8段階の累進課税)

相続税法第16条に定められた累進税率は、以下の8段階です。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%なし
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

最高税率は55%で、これは6億円を超える部分に適用されます。なお、相続税の計算では、まず相続税の総額を算出し、それを各相続人の実際の取得割合に応じて按分するため、実効税率は上記の表面税率とは異なります。

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基礎控除額の計算

相続税法第15条に基づく基礎控除額は以下の算式で計算します。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、配偶者と子2人が法定相続人の場合、基礎控除額は3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円となります。遺産総額がこの基礎控除額以下であれば、相続税の申告は不要です。

法定相続人の数え方の注意点

  • 相続放棄した者も法定相続人の数に含める(相続税法第15条2項)
  • 養子の数には制限がある:実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人まで(相続税法第15条2項)

主要な税額控除・特例

1. 配偶者の税額軽減(配偶者控除)

相続税法第19条の2に基づき、配偶者が取得した財産について、以下のいずれか大きい金額まで相続税がかかりません。

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額

つまり、法定相続分どおりに遺産を取得すれば、配偶者の相続税は常にゼロとなります。ただし、この特例の適用には申告期限内の申告が必須です(期限内に遺産分割が完了していない場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出が必要)。

2. 未成年者控除

相続税法第19条の3に基づき、法定相続人が18歳未満の場合に適用されます。

控除額 = 10万円 ×(18歳 − 相続開始時の年齢)

例えば、10歳の子が相続人の場合、10万円 × 8年 = 80万円が税額から控除されます。

3. 障害者控除

相続税法第19条の4に基づき、法定相続人が障害者の場合に適用されます。

区分控除額
一般障害者10万円 ×(85歳 − 相続開始時の年齢)
特別障害者20万円 ×(85歳 − 相続開始時の年齢)

例えば、40歳の特別障害者の場合、20万円 × 45年 = 900万円が税額から控除されます。

4. 小規模宅地等の特例

租税特別措置法第69条の4に基づく重要な特例です。被相続人の居住用・事業用の宅地について、一定面積まで評価額を大幅に減額できます。

宅地の種類限度面積減額割合
特定居住用宅地(自宅)330㎡80%減額
特定事業用宅地400㎡80%減額
貸付事業用宅地200㎡50%減額

自宅の土地が1億円と評価される場合、この特例により2,000万円の評価となり、相続税を大幅に圧縮できます。ただし、適用には申告期限までの継続居住・保有要件があります。

5. 生命保険金の非課税枠

相続税法第12条第1項第5号に基づき、死亡保険金には以下の非課税限度額が設けられています。

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

法定相続人が3人の場合、500万円 × 3 = 1,500万円までの死亡保険金が非課税となります。同様に、死亡退職金にも500万円 × 法定相続人の数の非課税枠があります(相続税法第12条第1項第6号)

申告・納付の期限

相続税の申告期限

相続税法第27条に基づき、相続税の申告期限は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。例えば、2026年1月15日に死亡を知った場合、申告期限は2026年11月15日となります。

申告期限を過ぎると、以下のペナルティが課されます。

ペナルティ税率
無申告加算税15〜20%(自主申告の場合5%)
延滞税年7.3%〜14.6%(期間により変動)
重加算税(仮装・隠蔽の場合)35〜40%

相続放棄の期限

民法第915条に基づき、相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。この期間を熟慮期間といいます。被相続人に多額の借金がある場合など、相続放棄を検討すべき場面は少なくありません。

非居住者(海外在住者)の相続税

日本の相続税は、被相続人および相続人の住所地と国籍により課税範囲が異なります。相続税法第1条の3および第2条に基づく課税区分は以下のとおりです。

課税範囲の判定

区分課税対象
居住無制限納税義務者全世界の財産
非居住無制限納税義務者全世界の財産
居住制限納税義務者日本国内の財産のみ
非居住制限納税義務者日本国内の財産のみ

重要ポイント:10年ルール

日本国籍を有する者が海外に居住している場合であっても、過去10年以内に日本国内に住所を有していた場合は、全世界の財産が相続税の課税対象となります(相続税法第1条の3第1号)

つまり、海外移住後10年を経過していなければ、海外の不動産や預金も含めたすべての財産に日本の相続税が課されます。これは相続税の国際的な租税回避を防止するための規定です。

非居住者が制限納税義務者となるケース

以下のすべてに該当する場合のみ、日本国内財産に限った課税(制限納税義務)となります。

  • 相続人が日本国籍を有しない、または日本国籍を有するが過去10年以内に日本に住所がない
  • かつ、被相続人も過去10年以内に日本に住所がない

相続税対策の基本

生前贈与の活用

暦年贈与では年間110万円まで贈与税がかかりません(相続税法第21条の5)。ただし、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算される点に注意が必要です(2024年以降の贈与から段階的に延長)。

相続時精算課税制度

60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、累計2,500万円まで贈与税が非課税となる制度です(相続税法第21条の9)。2024年以降は年間110万円の基礎控除が別途適用され、使い勝手が向上しています。

まとめ

相続税は税率が最大55%と高額になり得る一方、基礎控除、配偶者控除、小規模宅地等の特例など、適切に活用すれば税負担を大幅に軽減できる制度が整備されています。ただし、多くの特例は申告期限(10ヶ月)内の申告が適用要件であるため、早期の専門家への相談が重要です。

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*法律のミカタ編集部 | 2026年4月29日公開*

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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