【2026年4月施行】在職老齢年金の基準62万円に引上げ&iDeCo拡充で変わる老後資金戦略
最終更新: 2026-04-09

【2026年4月施行】在職老齢年金の基準62万円に引上げ&iDeCo拡充で変わる老後資金戦略

この記事のポイント

  • 在職老齢年金の支給停止基準額が月50万円→62万円に引上げ(2026年4月施行)
  • iDeCoの加入可能年齢が65歳未満→70歳未満に拡大(2026年12月施行)
  • iDeCo掛金上限が企業年金なし会社員で月2.3万円→6.2万円に約2.7倍増
  • 企業型DCマッチング拠出の「事業主掛金を超えない」制限が撤廃(2026年4月)

2026年の年金制度改正の全体像

2025年6月13日に成立した年金制度改正法により、2026年は公的年金私的年金(iDeCo・企業型DC)の両面で大きな制度改正が行われます。働くシニア世代の年金減額問題の緩和と、現役世代の老後資金形成の選択肢拡大が主な目的です。

本記事では、2026年4月と12月に段階的に施行される改正内容を、具体的な数字とともに解説します。

在職老齢年金の基準額引上げ(2026年4月施行)

在職老齢年金とは

在職老齢年金とは、65歳以上で厚生年金に加入しながら働く人の年金額を、給与水準に応じて減額(支給停止)する仕組みです。「賃金+年金月額」が一定の基準額を超えると、超えた分の半額が支給停止されます。

基準額の変更

項目改正前(2025年度)改正後(2026年4月〜)
支給停止基準額月51万円月62万円
引上げ幅+11万円

計算方法(変更なし)

支給停止額 =(総報酬月額相当額 + 基本月額 − 62万円)÷ 2

具体例で見る影響

月収45万円、厚生年金月額10万円(合計55万円)のケース:

  • 改正前:(55万 − 51万)÷ 2 = 2万円が支給停止
  • 改正後:62万円未満のため → 支給停止ゼロ(全額受給)

この改正により、従来年金を減額されていた約20万人が新たに満額受給できるようになると見込まれています。

改正の背景

深刻な人手不足を背景に、65歳以降も働き続けたいシニア層の就労意欲を年金減額が阻害しているとの指摘がありました。基準額の引上げにより、「働くと年金が減る」壁が大幅に緩和されます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の拡充

iDeCoの改正は2段階で進みます。

第1段階:マッチング拠出の制限撤廃(2026年4月)

企業型DCに加入している会社員が自分で上乗せ拠出する「マッチング拠出」について、従来の「事業主掛金を超えてはならない」という制限が撤廃されます。

例えば、事業主掛金が月1万円の場合: - 改正前:加入者掛金も最大1万円まで - 改正後:事業主掛金に関係なく、上限額まで拠出可能

第2段階:加入年齢と掛金上限の引上げ(2026年12月)

項目改正前改正後
加入可能年齢65歳未満70歳未満
掛金上限(企業年金なし会社員)月23,000円月62,000円
掛金上限(企業年金あり会社員)月55,000円月62,000円
掛金上限(自営業者)月68,000円月75,000円
掛金上限(公務員)月12,000円月62,000円

最大の恩恵を受けるのは企業年金のない会社員で、年間の拠出可能額が27.6万円から74.4万円へ約2.7倍に拡大します。

節税効果のシミュレーション

年収500万円の会社員(企業年金なし)が月62,000円をiDeCoに拠出した場合:

  • 年間拠出額:744,000円
  • 所得税・住民税の軽減効果:年間約14.9万円
  • 30年間の節税累計:約447万円

※iDeCoの掛金は全額所得控除の対象です。

60歳以降の働き方への総合的な影響

今回の改正は、在職老齢年金とiDeCoの両面から60歳以降の資産形成を後押しします。

制度メリット施行時期
在職老齢年金の基準引上げ働いても年金が減りにくくなる2026年4月
マッチング拠出の制限撤廃企業型DC加入者が自由に上乗せ可能2026年4月
iDeCo加入年齢の拡大70歳まで掛金を拠出できる2026年12月
iDeCo掛金上限の引上げより多くの老後資金を非課税で積立2026年12月

今からやるべきこと

65歳以上で働いている方

  • 自分の「総報酬月額相当額+年金月額」を確認し、62万円との差を把握する
  • 年金事務所で年金見込額を照会する(ねんきんネットでも確認可能)

現役世代の会社員

  • 勤務先が企業型DCを導入しているか確認する
  • 企業型DCがある場合、マッチング拠出の活用を検討する
  • iDeCoの掛金増額を検討する際は、生活資金とのバランスに注意する

自営業者・フリーランス

  • 国民年金基金・付加年金との併用枠を確認する
  • iDeCoの掛金上限75,000円への引上げに合わせて拠出計画を見直す

いずれの改正も、自動的に適用される在職老齢年金を除き、iDeCo関連は自ら手続きが必要です。改正施行前に、年金事務所や金融機関の窓口で相談されることをお勧めします。

※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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