【2025年統計】大麻逮捕が過去最多6,832人|若者のSNS経由入手と使用罪の罰則
刑事事件最終更新: 2026-04-17約9分で読めます

【2025年統計】大麻逮捕が過去最多6,832人|若者のSNS経由入手と使用罪の罰則

この記事のポイント

  • 2025年の大麻関連逮捕者は過去最多の6,832人(前年比+754人)
  • 20代以下が全体の7割超を占め、中高生の逮捕も増加している
  • 2023年12月施行の改正法で「使用罪」が新設され、所持だけでなく使用自体も犯罪になった
  • 逮捕されると最長23日間の身柄拘束、起訴されれば前科がつき就職・海外渡航に重大な影響
この記事をシェア

2025年の大麻関連逮捕者が過去最多を更新

警察庁の発表によると、2025年(令和7年)に大麻関連で逮捕・検挙された人数は6,832人に達し、統計開始以来の過去最多を更新しました。前年(2024年)の6,078人から754人増加しており、5年連続で過去最多を更新し続けています。

かつて大麻事犯は年間1,000〜2,000人台で推移していましたが、2020年代に入って急激に増加し、わずか数年で3倍以上に膨れ上がりました。この背景には、若年層への大麻の浸透とSNSを介した入手経路の拡大があります。

年代別・属性別の内訳

2025年の逮捕者を年代別に見ると、20代以下が全体の7割超を占めている点が深刻です。

年代逮捕者数割合
20歳未満1,373人20.1%
20代3,633人53.2%
30代1,120人(推計)16.4%
40代以上706人(推計)10.3%
合計6,832人100%

特に注目すべきは未成年者の内訳です。

属性人数
中学生28人
高校生315人
その他未成年1,030人

中学生28人、高校生315人が逮捕されているという事実は、大麻が学校現場にまで浸透していることを如実に示しています。大麻に手を出すきっかけとして「先輩や友人から勧められた」「SNSで簡単に手に入ると知った」というケースが多く報告されています。

この記事に関連する無料ツール

時効計算チェッカー

この記事の分野に関連する無料シミュレーターをお試しください。

無料で試す →

SNSを使った入手経路の実態

近年の大麻取引で特徴的なのが、SNSを経由した売買の急増です。特にX(旧Twitter)では、大麻を直接示す言葉を避けて隠語が使用されています。

よく使われる隠語の例

隠語意味
🥦 ブロッコリー大麻の花穂(見た目の類似から)
野菜大麻全般
手押し対面での直接売買
デリバリー配達方式での売買
葉っぱ大麻の葉

売人はSNS上で「手押しあります」「野菜あります」などと投稿し、DMで取引の詳細をやり取りするケースが典型的です。匿名性が高いSNSでの取引は、従来の対面取引よりも心理的ハードルが低く、未成年者でも容易にアクセスできてしまうことが問題視されています。

また、暗号資産(仮想通貨)での支払いや、コンビニの宅配ボックスを受け渡し場所として利用するなど、取引の匿名化・巧妙化が進んでいます。しかし、警察のサイバーパトロールも強化されており、SNS上の隠語投稿を端緒とした摘発事例は急増しています。

大麻使用罪とは ── 2023年改正の解説

改正の経緯

2023年12月12日、改正大麻取締法(正式名称:大麻草の栽培の規制に関する法律及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律)が施行されました。

従来の大麻取締法では、大麻の所持・栽培・譲渡・輸出入は処罰の対象でしたが、「使用」(吸引など)自体は処罰の対象外でした。これは、大麻栽培農家が作業中に微量の大麻成分を吸引してしまう可能性を考慮した歴史的経緯によるものでした。

しかし、近年は栽培農家への配慮よりも、使用罪がないことを逆手に取った「使用だけなら合法」という誤った認識が広がっていることが問題となり、法改正に至りました。

改正のポイント

  1. 大麻を「麻薬」として位置付け — 大麻から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を麻薬及び向精神薬取締法の規制対象に追加
  2. 使用罪の新設 — 大麻の使用(施用)自体が犯罪に。罰則は7年以下の懲役
  3. 医療用大麻の解禁 — THCを含む医薬品の使用を一定の条件下で認める(医師の処方に基づく場合のみ)

この改正により、「吸っただけ」「使っただけ」でも逮捕・起訴される可能性があることを理解する必要があります。

罰則一覧

大麻関連の罰則を一覧にまとめます。2023年改正後の現行法に基づいています。

行為罰則(非営利)罰則(営利目的)
所持5年以下の懲役7年以下の懲役(情状により200万円以下の罰金を併科)
使用(施用)7年以下の懲役7年以下の懲役(情状により200万円以下の罰金を併科)
譲渡・譲受5年以下の懲役7年以下の懲役(情状により200万円以下の罰金を併科)
栽培7年以下の懲役10年以下の懲役+300万円以下の罰金(必要的併科)
輸出入7年以下の懲役10年以下の懲役+300万円以下の罰金(必要的併科)

大麻と他の薬物の罰則比較

薬物使用の罰則所持の罰則根拠法
大麻(THC)7年以下の懲役5年以下の懲役麻薬及び向精神薬取締法
覚醒剤10年以下の懲役10年以下の懲役覚醒剤取締法
MDMA・コカイン7年以下の懲役7年以下の懲役麻薬及び向精神薬取締法
危険ドラッグ5年以下の懲役3年以下の懲役医薬品医療機器等法

大麻は覚醒剤よりは軽い罰則ですが、それでも実刑判決が十分にあり得る重罪です。初犯であっても懲役刑の判決が下されることがあり、「軽い罪」では決してありません。

逮捕された場合の流れ

大麻事件で逮捕された場合の一般的な手続きの流れは以下のとおりです。

1. 逮捕(最長72時間)

警察が被疑者を逮捕し、48時間以内に検察官に送致(送検)します。検察官は送致から24時間以内に勾留請求をするか、釈放するかを判断します。

2. 勾留(最長20日間)

裁判官が勾留を認めた場合、原則10日間、延長されると最長20日間の身柄拘束となります。逮捕から合わせると最長23日間、外部との接触が制限された状態が続きます。

3. 起訴・不起訴の判断

検察官が起訴(裁判にかける)か不起訴かを決定します。大麻事件の起訴率は比較的高く、所持量が少量でも起訴される傾向があります。

4. 裁判・判決

起訴された場合は刑事裁判となります。初犯で少量の所持の場合は執行猶予付きの判決が出ることが多いですが、営利目的や大量所持の場合は実刑(刑務所への収容)となる可能性が高まります。

状況想定される判決
初犯・少量所持懲役1〜2年・執行猶予3年
初犯・使用のみ懲役1年前後・執行猶予3年
再犯実刑の可能性が高い
営利目的の所持・栽培実刑(懲役2〜5年)+ 罰金

5. 身柄拘束中の影響

逮捕されると最長23日間社会から隔離されるため、以下のような影響が即座に生じます。

  • 会社・学校に通えなくなる
  • 実名報道される可能性がある
  • 家族や周囲への社会的影響
  • 携帯電話やSNSへのアクセス不可

「海外では合法」の誤解を解く

大麻に対してよく聞かれる誤解のひとつが「海外では合法だから安全」というものです。しかし、これには重大な誤りがあります。

誤解1:「多くの国で合法化されている」

事実:大麻の娯楽使用を完全に合法化している国は、カナダ、ウルグアイ、ドイツなどごく少数です。米国も連邦法では依然として違法であり、州法レベルでの合法化にとどまっています。世界的に見れば、大麻は大多数の国で違法です。

誤解2:「大麻は身体に害がない」

事実:WHO(世界保健機関)も大麻の健康リスクを認めています。特に以下のリスクが科学的に確認されています。

  • 依存性 — 使用者の約9%が依存症を発症(若年層では約17%)
  • 精神疾患 — 統合失調症の発症リスクが2〜4倍に上昇
  • 認知機能の低下 — 特に25歳未満の脳の発達期に使用すると不可逆的な認知機能障害の恐れ
  • 学業・仕事への影響 — 集中力・記憶力の低下

誤解3:「海外で合法なら日本人も海外で使ってよい」

事実:日本の麻薬及び向精神薬取締法は、日本国外での日本国民の行為にも適用される可能性があります(国外犯処罰規定)。合法な国で使用しても、帰国後に捜査の対象となるリスクがあります。

前科がつくとどうなるか

大麻事件で有罪判決を受けると前科がつきます。前科は生涯消えることがなく、人生のあらゆる場面に影響を及ぼします。

就職への影響

  • 履歴書の「賞罰」欄に記載義務(虚偽記載は経歴詐称に)
  • 公務員試験の欠格事由に該当
  • 医師・看護師・弁護士・教員免許など国家資格の取消し・欠格
  • 一般企業でも内定取消し・解雇の正当事由となる
  • 警備員・金融業など法令上前科が欠格事由となる職種は就業不可

海外渡航への影響

  • 米国 — ESTA(電子渡航認証)の質問事項に薬物逮捕歴があり、虚偽申告は入国禁止。ビザ申請時にも申告が必要で、薬物犯罪歴があると入国拒否の可能性が高い
  • カナダ — 薬物犯罪歴があると入国不許可になる場合がある
  • オーストラリア — 12か月以上の懲役刑の場合、ビザ発給拒否の対象
  • 留学・ワーキングホリデーのビザ取得にも支障

その他の影響

  • ローンや賃貸契約の審査に影響する可能性
  • 結婚・離婚の際に不利な材料となる場合がある
  • 子どもの親権判断にマイナス影響
  • 選挙権は失われないが、被選挙権(立候補)は一定期間制限

まとめ

2025年の大麻関連逮捕者数6,832人という数字は、日本社会に大麻が急速に浸透している現実を示しています。

  • 逮捕者は過去最多の6,832人(前年比+754人、5年連続最多更新)
  • 20代以下が7割超を占め、中学生28人・高校生315人も含まれる
  • SNSでの隠語取引が入手経路として急増している
  • 2023年12月の法改正で使用罪が新設され、「吸っただけ」でも犯罪
  • 逮捕されれば最長23日間の身柄拘束、有罪なら前科が一生残る
  • 前科は就職・国家資格・海外渡航に重大な影響を及ぼす
  • 「海外では合法」「害がない」は科学的根拠のない誤った情報

「一度だけ」「ちょっと試すだけ」という軽い気持ちが、取り返しのつかない結果を招きます。大麻に関する法律問題でお悩みの方、ご家族が逮捕されてしまった方は、早急に刑事事件に精通した弁護士にご相談ください。逮捕直後の初動対応が、その後の処分を大きく左右します。

この分野の無料ツール

この記事をシェア
※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

他のホットニュース

関連記事

関連するQ&A

法律の悩み、まずは専門家に相談

お近くの弁護士会の法律相談をご利用ください

日弁連 法律相談ガイド