ネット問題の全記事を見る最終更新: 2026-03-13

ネット上のプライバシー侵害|個人情報の無断公開と法的対処法

この記事のポイント

  • 氏名や住所の無断公開はプライバシー侵害で損害賠償の対象
  • 検索結果の削除(忘れられる権利)は一定条件で認められる
  • 削除請求はサイト管理者・検索エンジンの両方に行える
  • 晒し行為は名誉毀損や個人情報保護法違反になりうる

プライバシー権の法的根拠

日本の法律にはプライバシー権を明示的に定めた規定はありませんが、判例により憲法13条(幸福追求権)から導かれる人格権の一内容として確立されています。

「宴のあと」事件(東京地判昭和39年9月28日)

プライバシー権を日本で初めて認めた判決。以下の3要件を示しました。 1. 私生活上の事実又はそのように受け取られるおそれのある事柄 2. 一般人の感受性を基準にして公開を欲しない事柄 3. 一般の人に未だ知られていない事柄

ネット上のプライバシー侵害の類型

1. 個人情報の無断公開

  • 住所・電話番号の晒し(いわゆる「晒し行為」)
  • 本名と匿名アカウントの紐付け公開
  • 顔写真の無断転載

2. 私生活の暴露

  • 不倫・交際関係の暴露
  • 病歴・前科の公開
  • 私的な会話やメッセージの無断公開

3. リベンジポルノ

私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)により3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

法的対処法

1. 削除請求

  • サイト管理者への削除依頼: 問合せフォーム、送信防止措置依頼書の送付
  • プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置請求(法3条2項)
  • 裁判所への仮処分申立て: 削除に応じない場合

2. 検索結果の削除(忘れられる権利)

  • Google等の検索エンジンに対する削除リクエスト
  • 最決平成29年1月31日: 検索結果の削除は「公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」に限り認められる

3. 発信者情報開示請求

プロバイダ責任制限法5条に基づき、投稿者を特定して損害賠償請求。

4. 損害賠償請求

  • 不法行為(民法709条)に基づく慰謝料請求
  • プライバシー侵害の慰謝料相場: 10万円〜100万円程度
  • 悪質なケース(晒し+ストーキング等): 100万円超の認容例あり

自衛のポイント

  1. SNSのプライバシー設定を最大限に活用
  2. 個人を特定できる情報の公開を最小限に
  3. 被害発生時は直ちに証拠保全(スクリーンショット)
  4. 法務局の人権相談(みんなの人権110番: 0570-003-110)

根拠条文

  • 憲法13条(幸福追求権 → プライバシー権)
  • 民法709条(不法行為)、710条(財産以外の損害)
  • プロバイダ責任制限法3条(送信防止措置)、5条(開示請求)
  • リベンジポルノ防止法3条(罰則)

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※ 本記事は法律の一般的な知識を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。

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