何が変わるのか
2026年4月24日から、飛行機の機内におけるモバイルバッテリー(携帯型リチウムイオン電池)の使用が全面的に禁止されます。これは国土交通省が航空法に基づく危険物輸送規則を改正したことによるものです。
従来、モバイルバッテリーは「預け入れ荷物には入れられないが、機内への持ち込みと使用は可能」というルールでした。今回の改正により、持ち込みは引き続き可能ですが、機内での使用(充電)は一切できなくなります。
改正のポイント
| 項目 | 改正前(〜4/23) | 改正後(4/24〜) |
|---|---|---|
| 機内持ち込み | OK(条件あり) | OK(条件あり) |
| 機内での使用(バッテリー→端末) | OK | 禁止 |
| 機内での使用(端末→バッテリー) | OK | 禁止 |
| 預け入れ荷物への収納 | 禁止 | 禁止(変更なし) |
持ち込みルールの詳細
モバイルバッテリーの機内持ち込みには、以下の制限があります。
| 条件 | ルール |
|---|---|
| 個数制限 | 1人2個まで |
| 容量制限 | 160Wh以下(約43,000mAh相当) |
| 100Wh超〜160Wh以下 | 航空会社への事前申告が必要な場合あり |
| 160Wh超 | 持ち込み不可 |
| 預け入れ荷物 | 全面禁止(容量に関わらず) |
Whの計算方法
モバイルバッテリーの容量が「mAh」で表示されている場合、以下の計算でWhに換算できます。
Wh = mAh × V(電圧) ÷ 1,000
一般的なリチウムイオン電池の電圧は3.7Vなので、例えば20,000mAhのバッテリーは「20,000 × 3.7 ÷ 1,000 = 74Wh」となり、持ち込み可能です。
違反時の罰則
機内でモバイルバッテリーを使用した場合、航空法第150条に基づき50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、航空会社が定める安全阻害行為にも該当するため、以下の措置が取られることがあります。
- 機長からの使用中止命令
- 命令に従わない場合、着陸後に警察へ引き渡し
- 航空会社のブラックリストへの登録
なお、モバイルバッテリーを預け入れ荷物に入れた場合も、従来通り航空法違反となります。
なぜ使用が禁止されるのか
モバイルバッテリーに使用されるリチウムイオン電池は、以下のリスクがあります。
- 熱暴走:外部からの衝撃、過充電、内部短絡により急激に発熱し、発火・爆発する危険性
- 有毒ガスの発生:熱暴走時にフッ化水素等の有毒ガスが発生
- 密閉空間での被害拡大:航空機内という密閉された空間では消火・換気が困難
実際に、世界各国でモバイルバッテリーが原因とみられる航空機内での発火事故が報告されており、国際民間航空機関(ICAO)も規制強化の方針を示しています。
GW旅行前のチェックリスト
ゴールデンウィーク(4月26日〜5月6日)の直前に施行されるため、旅行前の確認が重要です。
出発前に確認すべきこと
- [ ] モバイルバッテリーは手荷物(機内持ち込み)に入れたか
- [ ] バッテリーの容量は160Wh以下か(本体の表示を確認)
- [ ] 持ち込むバッテリーは2個以内か
- [ ] 100Wh超のバッテリーは航空会社に事前申告したか
- [ ] スーツケース(預け入れ荷物)にバッテリーを入れていないか
- [ ] 機内ではバッテリーを使用しないことを理解しているか
- [ ] 端末の充電は搭乗前に済ませたか(空港の充電スポット活用)
機内での代替手段
- 座席のUSB/コンセント:一部の航空会社・機材では座席に電源が設置されています。事前に航空会社のウェブサイトで確認しましょう
- 搭乗前の充電:空港内の充電スポットやラウンジでフル充電してから搭乗することをおすすめします
よくある質問(FAQ)
Q1. スマートフォンやノートPCの持ち込みも制限されますか?
いいえ。今回の規制はモバイルバッテリー(携帯型充電器)の「使用」に関するものです。スマートフォン、ノートPC、タブレット等の電子機器本体は、従来通り機内での使用が可能です。ただし、これらの機器に内蔵されたバッテリーも160Whの制限は適用されます。
Q2. 機内でスマホの電源が切れた場合、モバイルバッテリーで充電できますか?
できません。4月24日以降、機内でのモバイルバッテリーの使用は一切禁止です。バッテリーから端末への充電も、端末からバッテリーへの充電も、どちらも禁止されます。
Q3. 国際線も対象ですか?
日本発着の便については、国内線・国際線を問わず適用されます。ただし、外国の航空会社が運航する便については、その航空会社が所属する国の規制が適用される場合もあります。
Q4. 電子タバコ(加熱式タバコ)のバッテリーも対象ですか?
電子タバコ・加熱式タバコに内蔵されたリチウムイオン電池も、モバイルバッテリーと同様に預け入れ荷物への収納は禁止されています。機内持ち込みは可能ですが、機内での使用(喫煙)は従来から禁止されています。
Q5. バッテリーの容量表示がない場合はどうすればよいですか?
容量表示のないモバイルバッテリーは、安全性の確認ができないため、航空会社によっては持ち込みを拒否される場合があります。旅行前にメーカーに確認するか、容量表示のある製品を使用してください。
まとめ
2026年4月24日以降の飛行機でのモバイルバッテリーに関するルールは以下の通りです。
覚えておくべき3つのポイント:
- 機内での使用は全面禁止 — バッテリーから端末への充電も、端末からバッテリーへの充電も不可
- 持ち込みは1人2個・160Wh以下 — 預け入れ荷物には入れられない(従来通り)
- 違反は50万円以下の罰金 — 航空法に基づく処罰の対象
GWの旅行を控えている方は、出発前にバッテリーの容量と個数を確認し、搭乗前に端末をフル充電しておくことをおすすめします。ルールを守って、安全な空の旅をお楽しみください。