Data Protection

データ保護

日本のAPPI、EUのGDPR、米国各州法、中国PIPLまで。複数法域にまたがるデータ保護コンプライアンスを、事業推進と両立する形で設計します。

イントロダクション

データ保護法制は、過去10年で最も急速に進化した法分野の一つです。EUのGDPR(一般データ保護規則、2018年施行)を皮切りに、世界各国で強力な個人データ保護法が相次いで施行され、執行も活発化しています。違反時の制裁金は、GDPRでは全世界年間売上高の4%または2,000万ユーロのいずれか高い方、APPI(日本の個人情報保護法)では2026年改正で1億円以下の法人罰が導入される見込みです。

データ保護法制の難しさは、(1)複数の法域が重複適用される、(2)技術的措置と組織的措置の両方が要求される、(3)違反時のレピュテーション影響が制裁金以上に大きい、という点にあります。多国籍企業、SaaS事業者、ECサイトを運営する企業にとって、データ保護コンプライアンスは事業継続に直結する経営課題です。

当事務所では、APPI、GDPR、米国各州法(CCPA/CPRA、バージニア・コロラド・コネチカット等)、中国PIPL、シンガポールPDPAなど、主要法域のデータ保護規制を踏まえた統合的なコンプライアンス設計をご支援します。単なる規制対応ではなく、「データを使い倒しながら、しかし違法にならない」という事業推進と法令遵守の両立が当事務所のスタンスです。

対応領域

1. APPI(個人情報保護法)対応 - 2022年改正・2026年改正への対応 - 個人情報保護方針、利用目的、本人同意取得フローの設計 - 漏えい時の個人情報保護委員会への報告・本人通知 - 仮名加工情報・匿名加工情報の活用設計 - 第三者提供・委託先管理の枠組み構築 - 越境移転に関する本人同意・移転先国の保護法制調査

2. GDPR(EU一般データ保護規則)対応 - EU向けサービス提供時のGDPR適用判断 - 法的根拠(同意・契約履行・正当な利益等)の整理 - データ処理記録(ROPA)、DPIA(データ保護影響評価)作成 - データ主体の権利対応(アクセス権、削除権、ポータビリティ権) - DPO(データ保護責任者)選任要否判断、職務支援 - EU域外移転:SCC(標準契約条項)、適切性認定の活用 - EU代理人(Article 27 Representative)の選任サポート

3. 米国データ保護法 - カリフォルニアCCPA/CPRA対応 - バージニア・コロラド・コネチカット等の州法対応 - HIPAA(医療情報保護)、GLBA(金融情報保護)対応 - COPPA(児童オンラインプライバシー保護法)対応 - 米国連邦取引委員会(FTC)執行動向への対応

4. データ漏えい・インシデント対応 - 漏えい発覚時の初動(72時間以内のGDPR報告対応含む) - フォレンジック調査の指揮、調査会社との連携 - 監督機関への報告書作成・提出 - 本人通知文案、コールセンター対応指針 - 損害賠償交渉、集団訴訟への対応

5. データ越境移転 - 移転先国の保護法制調査 - SCC(標準契約条項)、BCR(拘束的企業準則)の作成 - TIA(移転影響評価)の実施 - 米国EU データプライバシーフレームワーク認証支援 - 中国PIPL第三章(越境移転規制)対応

6. その他関連領域 - Cookieバナー設計、Web追跡技術の規制対応 - AdTech・MarTech領域のプライバシー設計 - 社内研修、データ保護ガバナンス体制構築

典型的な対応事例(想定例)

想定例1: SaaS事業者のGDPR適合化プロジェクト

国内発のB2B SaaSスタートアップが、欧州の中堅企業との大型契約締結を機に、GDPR完全適合化が必要となりました。それまで「日本の個人情報保護法は守っているが、GDPRは未対応」という状態でした。

当事務所では、(1)現状ギャップ分析(GDPR要件 vs 現状の差分の可視化)、(2)プライバシーポリシー・利用規約の改訂(日英バイリンガル)、(3)データ処理記録(ROPA)の作成、(4)DPIA(データ保護影響評価)の実施、(5)EU代理人の選任、(6)SCC(標準契約条項)に基づく移転スキームの構築、(7)主要顧客とのDPA(データ処理契約)テンプレートの整備、(8)社内教育プログラムの設計、を6カ月のプロジェクトで完遂。結果として、欧州企業との契約締結に成功し、その後も複数の欧州企業との取引が拡大しています。

想定例2: APPI 2026年改正への対応プロジェクト

中堅小売チェーンが、2026年APPI改正(漏えい時の刑事罰強化、外国制度との接続強化等)を機に、個人情報保護体制を全面的に見直しました。POSデータ、会員データ、防犯カメラ映像、従業員データなど、複数のデータカテゴリが存在し、社内のデータフローが複雑化していました。

当事務所では、(1)全社データマッピング、(2)利用目的の棚卸しと再整理、(3)同意取得UX/UIのリデザイン助言、(4)委託先(クラウド事業者、マーケティング会社等)との契約改定、(5)社内規程・マニュアルの全面改訂、(6)漏えい対応マニュアルの整備、(7)役員・現場社員向け研修の実施、を一体的に支援。改正法施行と同時に新体制で運用開始することができました。

想定例3: 大規模個人情報漏えいインシデント対応

ECサイト運営企業が、外部からの不正アクセスにより数十万件の顧客個人情報(氏名、住所、電話番号、購買履歴)が漏えいする事案が発生。クレジットカード情報の漏えいは免れたものの、社会的な注目度が高く、即座の対応が必要でした。

当事務所では、(1)発覚から24時間以内の初動指揮(証拠保全、原因調査会社の選定)、(2)個人情報保護委員会への速報、(3)本人通知の文案・FAQ・コールセンター対応マニュアル整備、(4)プレスリリース、Webサイト掲載文の作成、(5)警察への被害届提出支援、(6)取引先(決済代行会社、物流会社)への報告、(7)集団訴訟提起への備え、(8)再発防止策(多要素認証導入、WAF強化、社員教育)の設計、を実施。透明性の高い情報開示により、顧客離反を最小化し、レピュテーション回復を実現しました。

ご依頼の流れ

  1. 初回相談(30〜60分/オンライン可): 現状と課題を伺い、論点を整理します。
  2. 見積・提案: スコープとタイムラインをご提示。プロジェクト型/顧問型のいずれにも対応します。
  3. 着手・進捗共有: マイルストーンごとに進捗を報告し、社内承認プロセスとも連携します。
  4. 完了・アフターフォロー: 法改正・執行動向のアップデート、定期的なレビューも継続支援可能です。

料金目安(参考値・要相談)

  • 初回相談: 30分まで無料、以降タイムチャージ
  • GDPR適合化プロジェクト: 想定 150〜500万円(規模により変動)
  • APPI対応プロジェクト: 想定 80〜300万円
  • インシデント対応(緊急): タイムチャージ+着手金
  • 顧問契約(データ保護特化): 月額想定 15〜40万円
  • アウトソースDPO: 月額想定 30〜80万円

お問い合わせ

データ保護分野でのご相談は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。緊急の漏えい対応については、その旨明記いただければ優先対応します。

よくあるご質問

Q.当社は日本国内のサービスのみですが、GDPR対応は必要ですか。
(1)EU所在のユーザーに意図的にサービス提供している、(2)EU所在のユーザーの行動を監視している、いずれかに該当すればGDPRが域外適用されます。「日本語サイトのみだが欧州在住日本人ユーザーがいる」程度では原則対象外ですが、多言語対応・EU向け広告の有無等を個別判断します。
Q.プライバシーポリシーは雛形を真似て作っても良いですか。
法的に最低限の項目を満たすことは可能ですが、(1)実態と齟齬があると違法、(2)海外規制(GDPR等)への対応が不十分、(3)サービス特性に応じたリスク開示が漏れる、というリスクがあります。事業特性に合わせたカスタマイズが必須です。
Q.個人情報の漏えいが発覚した場合、いつまでに何をすべきですか。
APPIでは「速やかに」(実務上は3〜5日以内)の速報報告と「概ね30日以内」の確報報告、本人通知も「速やかに」必要です。GDPR域内事案では「72時間以内」の監督機関報告が義務です。最初の24時間が極めて重要で、当事務所では緊急対応も可能です。
Q.クラウドサービスを利用する場合、データ越境移転として規制対象になりますか。
データの物理的保管場所が国外にある場合、原則として越境移転に該当します。本人同意、APPIに基づく相当措置、相手国の認定(現状EU・英国のみ)のいずれかが必要です。クラウドサービス利用時は、ベンダーのデータ保管リージョン選択が重要です。
Q.Cookieバナーは必ず設置すべきですか。
EU向けサービスではePrivacy指令により事前同意(オプトイン)が必須です。日本の改正APPIでも、Cookieを介した個人関連情報の第三者提供には「同意取得確認」義務が課されています。実務上、グローバル展開する企業はCookieバナー設置が標準です。
Q.DPO(データ保護責任者)は必ず選任しなければなりませんか。
GDPRでは(1)公的機関、(2)大規模・体系的な監視を行う組織、(3)機微データを大規模処理する組織、で選任義務があります。義務がない場合でも、ガバナンス強化のため任意選任する企業も増えています。当事務所ではアウトソースDPOサービスも提供可能です。
Q.米国カリフォルニア州に進出する際、CCPA/CPRA対応で何が必要ですか。
(1)Privacy Notice の整備(カリフォルニア住民向けの追加開示)、(2)「Do Not Sell or Share My Personal Information」リンクの設置、(3)消費者の権利(知る権利、削除権、訂正権、オプトアウト権)への対応フロー、(4)機微情報の処理制限、(5)第三者へのデータ販売・共有の管理、が中心論点です。
Q.中国にデータを送る場合、特別な規制はありますか。
中国PIPL(個人情報保護法)第三章により、(1)中国国内での安全評価申告、(2)標準契約条項の締結、(3)個人情報保護認証の取得、いずれかが必要です。重要データの場合は、中国データ安全法・サイバーセキュリティ法も併せて検討が必要です。
Q.社内のデータ保護研修は、どの程度の頻度・内容が望ましいですか。
全社員向けに年1回(基礎)、データを多く扱う部門には年2回(応用+実例)、管理職向けには漏えい時の対応訓練、が標準的です。eラーニング+集合研修のハイブリッドが有効です。当事務所では研修コンテンツの提供・講師派遣も可能です。
Q.データ保護コンプライアンスは、どこから手をつければ良いですか。
(1)データマッピング(何のデータを、どこから集め、どこに保管し、誰に渡しているか)から始めます。これがすべての基礎になります。次に、(2)該当法域の特定、(3)ギャップ分析、(4)優先順位付けと改善計画、というステップで進めます。
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